巨人の中田翔
巨人の中田翔
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 巨人が厳しい状況に追い込まれている。首位を独走するヤクルトが新型ウイルスの感染により山田哲人、青木宣親、中村悠平、塩見泰隆ら主力選手が大量離脱する緊急事態を迎えたが、スポーツ紙記者は「巨人を含めて逆転優勝できるチームはないでしょう」と分析。その理由をこう語る。

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「現状の戦力から大きな伸びしろが感じられないからです。巨人は主将・坂本勇人の戦線離脱があまりにも痛い。救援陣も疲弊しているので厳しい戦いが続く。一方でヤクルトはコロナで主力選手たちが大量離脱しましたが大幅に崩れることはないでしょう。4番・村上宗隆の存在が大きい。ファームから上がってきた選手たちも太田賢吾、西浦直亨、内川聖一と1軍で実績のある実力者なのでカバーできる。投手陣も清水昇、田口麗斗、大西広樹とセットアッパーたちを欠くことになりますが、先発陣は高梨裕稔をのぞいて現時点でコロナに感染していない。十分に戦えると思います」

 首位・ヤクルトに10ゲーム差以上の大差をつけられてリーグ優勝に黄信号が点灯した巨人だが、若手は育ってきている。投手陣はドラフト1位の大勢が守護神として大活躍。2年目の平内龍太もセットアッパーとして頭角を現し、先発は山崎伊織、堀田賢慎が1軍の舞台で経験を積んでいる。野手陣も「坂本の後継者」として遊撃の中山礼都、闘志あふれるプレーが持ち味の増田陸が台頭してきた。

 特にプロ4年目の増田の活躍は際立つ。一挙手一投足にハングリー精神の強さを感じさせる選手だ。2018年ドラフト2位で入団したが昨オフに育成契約に。春季キャンプは三軍でスタートしたがここからはい上がる。実戦で結果を残し続け、3月11日に再び支配下昇格。5月5日にプロ入り初の一軍昇格を果たすと、5月下旬から一塁のレギュラーに定着した。勝負強い打撃で殊勲打を打ち、自打球で途中交代した際はベンチで涙を流す姿が。死球を受けた際は怒りの表情を浮かべるなど闘争心を前面に出す。今の巨人には珍しいタイプだ。

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