世界的な選手になり得るポテンシャルを持つチェイス・アンリ
世界的な選手になり得るポテンシャルを持つチェイス・アンリ

 近年のサッカー界における移籍市場の拡大と過熱は、才能の発掘スピードを加速させ、10代のうちから欧州トップリーグで活躍する選手が世界的に目立つようになった。その流れは今後も続き、日本人選手たちもできるだけ早い時期から欧州の舞台でプレーすることが「2030年のW杯4強」という目標達成のためには必要だろう。その“候補者”となる18歳以下(2004年生まれ以降)の選手を5人ピックアップしたい。

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 まずは、規格外の“怪物DF”チェイス・アンリだ。2004年3月24日生まれ。尚志高の守備の要として昨冬の高校選手権に出場した後、今春にドイツ1部のシュトゥットガルトと契約を交わし、現在はU-21チームでプレーしている。ピッチ上のどこにいても判別可能なアフロヘアーとともに、ひと際目立つのが身体能力の高さ。元軍人のアメリカ人の父から受け継いだ身長188センチの体躯に、ずば抜けたパワーとスピードを搭載し、エアバトルには無類の強さを見せる。

 技術的にはまだまだ荒削りで戦術的な理解も進歩させなくてはならないが、英語が堪能な点は大きなアドバンテージになる。目標はファン・ダイク。現在18歳ながら、すでにU-21代表に飛び級で選出されて今年6月のU-23アジア杯でもプレーし、今後の飛躍が非常に楽しみでならない。

 すでにドイツで長くプレーしているのが、元U-15日本代表でドイツ国籍も保有する長身GKの長田澪だ。2004年4月16日生まれ。神奈川県川崎市出身で、ジュニア時代から中学時代まで川崎フロンターレのアカデミーに所属。2017年9月にスペインで行われた「U-13マドリードカップ」に日本選抜として出場してベストGK賞を受賞して注目され、翌2018年にドイツ・ブレーメンの下部組織に入団し、U-18チームに所属している。

 身長190センチの高さを生かしながら、世界で最も優秀なGK育成国であるドイツで鍛錬を積んでおり、登録名ミオ・バックハウスとしてドイツの各年代別代表にも選出されるなど成長中。今年4月にはトップチームのベンチ入りも果たした。将来的には13歳まで暮らした日本のフル代表入りが期待されるが、まずはこのままドイツで成長を続けてもらいたい。

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逸材多く生み出す鳥栖に新たな有望株