ソフトバンク・ガルビス(左)と日本ハム・ガント(写真提供・福岡ソフトバンクホークス/北海道日本ハムファイターズ)
ソフトバンク・ガルビス(左)と日本ハム・ガント(写真提供・福岡ソフトバンクホークス/北海道日本ハムファイターズ)

 まもなく前半戦が終了する今年のプロ野球。最も即効性のある補強と言えば新外国人選手だが、期待通り、期待以上の活躍を見せる選手がいる一方で、高い期待に応えられていない選手がいるのも現実である。そして今年に限っては、高額年俸の選手ほど苦しんでいるケースが目立つ。主な選手の年俸とここまでの成績を並べてみると以下のような数字となった(年俸は推定、成績は7月11日終了時点)。

【写真】コスパ抜群の助っ人がこちら


■ガルビス(ソフトバンク):年俸3億5000万円
26試合 11安打1本塁打4打点 打率.136

■チャトウッド(ソフトバンク):年俸3億5000万円
一軍出場なし

■ポランコ(巨人):年俸2億5000万円
86試合 73安打12本塁打30打点 打率.252

■ガント(日本ハム):年俸2億4000万円
一軍出場なし

■アンドリース(巨人):年俸2億2000万円
4試合 0勝1敗0セーブ0ホールド 防御率2.16

■ヌニエス(日本ハム):年俸1億8000万円
51試合 24安打4本塁打12打点 打率.173

 やはり目立つのがともに推定年俸3億5000万円でソフトバンクに入団したガルビスとチャトウッドの2人だ。ガルビスは開幕戦でいきなり満塁ホームランを放つ華々しいデビューを飾ったものの、その後は一向に調子が上がらずに5月上旬には二軍降格。6月に一度一軍に復帰したものの、またしても結果を残すことができず短期間で登録抹消となり、現在も二軍調整が続いている。メジャー通算966安打を放ち、守備でも高い評価を得ていたが、日本ではその実力を十分に発揮することができていない状況だ。2年契約を結んでいることもあって、今後もある程度チャンスは与えられるかもしれないが、まずは日本の投手に慣れる必要があるだろう。

 ガルビス以上に期待外れに終わりそうなのがチャトウッドだ。メジャー通算52勝を誇る右腕もキャンプから調子が上がらず、5月には右肩の不調を訴えて帰国。一度来日したものの、6月には再び帰国となり右肩の手術を受けると報じられている。回復までには相当な時間がかかることが予想され、今シーズン中の復帰は絶望的と言える状況で、このまま退団する見込みであると報じられている。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
“掘り出し物”となった助っ人は?