滝沢カレン
滝沢カレン

 7月4日、モデルでタレントの滝沢カレンが自身のインスタグラムで一般男性と結婚したことを発表した。滝沢と言えば、独特の言い回しの「ヘンテコ日本語」の使い手として知られているが、結婚発表の文章でもそれは変わらなかった。

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「記憶をほとんどその日に置いてくる私ですが、出会ったときの季節、景色を今でも思い出せます。

 それは私の見ている景色をいつもより色とりどりにしてくれる人でした。」(滝沢カレンのインスタグラムより)

 この外国語を直訳したような調子のちょっと不思議で味わいのある彼女らしい表現が大反響を呼んだ。

 滝沢はモデルとしての活動のかたわら、バラエティ番組でも息の長い活躍を続けている。6月25日放送の『まっちゃんねる』(フジテレビ)で行われた女性だけの大喜利バトル「IPPON女子グランプリ」での大健闘も記憶に新しい。

 この企画で彼女は、女性タレント部門で堂々の優勝を果たし、女性芸人部門で優勝したハリセンボンの箕輪はるかとの最終決戦に挑んだ。惜しくも敗れたものの、本職の芸人とも対等に渡り合えるほどの大喜利力の高さを世間に知らしめた。

 通常、バラエティ番組で「ヘンテコ日本語」のような飛び道具がもてはやされるのは最初のうちだけだ。何度も見ているうちに視聴者もだんだん慣れてくるので、そのうち飽きられてしまうことが多い。

 ところが、滝沢の不思議な言語感覚は、バラエティに本格参入してから何年も経った現在でも、それほど古びることなく、多くの人に親しまれている。彼女が長く生き残っている理由は何なのか。

 それを一言で言うなら「人柄」に尽きる。単に見た目がきれいだとか、独特の言い回しが面白いというだけだったら、ここまで人気が続くことはなかっただろう。彼女自身が人として好感を持たれ、愛されているからこそ、仕事が絶えないのである。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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滝沢カレンはあまり愛想笑いをしない