最下位に低迷している中日。立浪和義監督がベンチで厳しい表情を浮かべている場面が目立つ。

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 ヤクルトが首位を独走しているが、CS出場は十分に可能性がある。ただ、地元・名古屋のテレビ関係者は冷ややかだ。

「戦力を見ても厳しい。高橋周平、京田陽太は長年レギュラーで使われていますが、他球団だったら1軍に残れるかも微妙なレベルです。ビシエドも故障で戦線離脱し、打線全体に迫力がない。投手陣もピリッとしない。中日ファンが一番盛り上がるのが、根尾昂が救援で登板した時です。敗戦処理でも根尾が投げるのを見たら、球場に観戦に来たお客さんは得した気分になる。チームにとっては喜ばしいことではないかもしれませんが…」

 中日の課題は貧打の解消に尽きる。5位に低迷した昨年はリーグワーストの405得点。日本一に輝いたヤクルトの625得点より200点以上も少なかった。広い本拠地・ナゴヤドームを本拠地にしていることを差し引いても、1試合3得点以下の得点力では勝てない。投手陣はリーグトップの防御率3.22と奮闘したが、55勝71敗と大きく負け越し。与田剛前監督は退任した。昨秋のドラフトでは1位・ブライト健太、2位・鵜飼航丞、6位・福元悠真と大学生の野手3人を指名。立浪監督は3年目の和製大砲・石川昂弥を三塁で育てる方針を示し、俊足巧打の岡林勇希を起用し続けている。若い力がチームを変える。指揮官のメッセージは明確だったが、一朝一夕で得点力が上がるものではない。今季の222得点はリーグワースト。打線の核となるビシエドが左肩のしびれで6月21日に登録抹消したことも大きな痛手となった。

 スポーツ紙遊軍記者は「立浪監督に低迷の全責任を押しつけるのは違うと思います」と指摘した上で、フロントの戦力補強について疑問を投げかけた。

「昨年あれだけ打てなかったのに、新外国人の野手を誰も補強していない。巨人のウォーカーのようにメジャー経験がない年俸3400万の助っ人が大ブレークする可能性があるのになぜ獲りにいかないのか。ビシエドが戦線離脱した時に代わりに昇格する外国人がいない。苦戦するのは必然だと思います」

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