アイスショーに込めた思いを「覚悟と進化」と表現した浅田真央(C)浅田真央アイスショー「BEYOND」製作委員会
アイスショーに込めた思いを「覚悟と進化」と表現した浅田真央(C)浅田真央アイスショー「BEYOND」製作委員会

 自らが座長を務める「BEYOND」の開催発表記者会見に金色に輝くドレス姿で登場した浅田真央は、このアイスショーに込めた思いを「覚悟と進化」と表現した。

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「この新しいショーを作るにあたって、私はすごく大きな覚悟を持って動き始めました。いろいろなことを乗り越えて、過去の自分を乗り越えて、進化していけるようにという思いを込めました。日々生活していく中でたくさんの山があると思いますが、それを一緒に乗り越えていこうという皆様へのメッセージになるといいなと思っています。このアイスショーを観ていただいて、少しでも皆さんの力になれるようになっていきたい」

 現役時代、優しい笑顔と清々しいスケーティングで愛された浅田だが、長年世界のトップで戦い続けることができたのは、柔らかい物腰の中に鋼のような芯の強さを秘めていたからだ。2014年ソチ五輪でみせた奇跡のフリー『ピアノ協奏曲第2番』(ラフマニノフ)は、その浅田の強さが結晶したプログラムだった。

 そして、その芯の強さはプロスケーターとなっても変わらなかった。2018年5月にスタートしたアイスショー「浅田真央サンクスツアー」は、コロナ禍により2020年2月の公演を最後に中断した。フィギュアスケートの興行は試合・アイスショーともに行われない状態が続く中、リンクに観客が戻る最初の機会となったのが、2020年8月のサンクスツアー滋賀公演だった。徹底的に感染対策を施しての開催だったが、それでも起こった批判の声は浅田自身にも届いていたという。不安も抱えながら、ライブ配信という新たな試みも加えて完遂した滋賀公演は、浅田にしかできない挑戦だったと考える。

 その浅田が、「覚悟を乗り越えた先には進化がある」という思いで取り組むのが「BEYOND」だ。サンクスツアー終了後の休息を終えた浅田は、この「BEYOND」に向け昨年の7月頃から再始動した。約90分間ノンストップで続く「BEYOND」は、演出・楽曲・衣装・振付などすべてに浅田のこだわりが詰まったアイスショーになるという。浅田が選出し「とてもパワフルなスケーター」と語る浅田以外の10人のキャストは、来週以降に明らかになる。今年9月から来年3月まで、全国17都市で約70公演を開催する予定だ。

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「ショーを通じてたくさんの皆さんにパワーを届けられたら」