巨人・ウィーラー(左)と中日・鈴木博志(写真提供・読売ジャイアンツ/中日ドラゴンズ)
巨人・ウィーラー(左)と中日・鈴木博志(写真提供・読売ジャイアンツ/中日ドラゴンズ)

 例年トレードの多い6月だが、今年は無風に終わった。しかしまだトレード期間は残されており、水面下では調査を進めている球団もあるはずだ。実績はそれなりにありながらも、今年は出場機会に恵まれていない選手も少なくないだけに、そんな中から他球団にとって狙い目の選手はいないのか、探ってみたいと思う。

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 まずセ・リーグで実績がありながら、今年一軍出場の少ない選手をピックアップしてみたところ、以下のような顔ぶれとなった。

・ヤクルト:星知弥(投手)、西田明央(捕手)、西浦直亨(内野手)

・阪神:二保旭(投手)、陽川尚将(内野手)、江越大賀(外野手)

・巨人:山口俊(投手)、戸根千明(投手)、北村拓己(内野手)、ウィーラー(内野手)

・広島:中村祐太(投手)、アドゥワ誠(投手)、正隨優弥(外野手)、大盛穂(外野手)

・中日:鈴木博志(投手)、岡田俊哉(投手)、堂上直倫(内野手)、福田永将(内野手)

・DeNA:阪口皓亮(投手)、山下幸輝(内野手)、細川成也(外野手)

 投手で他球団からするともったいないと思われている可能性が高いのが中日の鈴木だろう。ドラフト1位で入団し、1年目から一軍で53試合に登板。2年目には開幕から抑えを任せられて14セーブもマークしている。しかしこの年の途中から制球難もあって調子を落とすと、翌年以降は成績が低迷。一時はサイドスローに転向するなどしたものの、なかなか結果を残すことができていない。しかしそれでも150キロを超えるスピードは大きな魅力であり、年齢的にも今年で25歳とまだまだ若いだけに何かきっかけがあれば、大化けする可能性を秘めている。

 中日の投手では同じドラフト1位入団の岡田も実績は申し分なく、貴重なサウスポーで先発もリリーフも経験があるのは強みだ。過去2年間は防御率が4点台後半となっているが、まだまだ余力はあるはずだ。打撃陣の弱い中日だけに、野手との交換でこの2人を狙う球団が出てきてもおかしくはないだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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