中日・立浪和義監督
中日・立浪和義監督

 新庄剛志監督が就任した日本ハム以上に今季プロ野球で話題となっているのが中日だ。レジェンドの立浪和義新監督を迎え、強竜打線の復活、そして久々のリーグ制覇が期待されているが現実は甘くはなかった。現在5位と結果を残せていないことに加え、コーチ陣の配置を早々と入れ替えるなど球団方針にも疑問の声が上がっている。ドラフトで獲得した有望株を数多く抱えているが、将来的にチームの主力として成長できるかについても不安が漂う。

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 昭和の時代にタイムスリップしたようだった。6月12日の日本ハム戦(札幌ドーム)、波留敏夫一軍打撃コーチはベンチ前でノーマスク状態のまま怒鳴り散らした。

「いつまで甘えてやってんねん。その気でやらんか、アホ!」

 たまたまテレビ中継で抜かれてしまったためSNS上で話題となったが、球界では驚きの声は上がらなかった。2013年のDeNA打撃コーチ時代は池田純球団社長(当時)と派手な言い合いをしたこともある。ロッテ在籍時代には自身の応援歌にまで意見したこともあるというから筋金入りだ。

「立浪監督は波留コーチのようなタイプが好き。そもそも監督自身が感情的になることもある。爽やかな見た目と穏やかな口ぶりからは想像できないくらい。京田陽介を怒鳴ったことが話題になったが、まだまだ序の口です」(中日担当記者)

「かつてのPL学園は“スパルタ野球”の象徴だった。同校OBもYouTubeなどで語っています。下級生から試合に出場していた立浪監督には上級生などから激しいシゴキもあったが、跳ね返すだけの激しさもあったという」(アマチュア球界に詳しいスポーツライター)

 5月4日のDeNA戦(横浜)では、緩慢な動きで内野安打を許した京田に対し「今すぐ名古屋に帰れ」と激しく叱責した。若手選手、スタッフなどの一部は凍りついたが、立浪監督を昔から知る人たちにとっては当然の光景だった。

「中村紀洋コーチを二軍に行かせたのも驚きはなかった。中村コーチの打撃技術には大きな信頼を置いていた。しかし人間的に波長が合うかは別問題。両者とも昭和の唯我独尊タイプでぶつかることは予想できた。立浪監督は自分の分身となり選手に激しいゲキを飛ばす様なコーチが好きなのでしょう」(中日担当記者)

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なぜコーチの意見が“対立”するのか