さらに、こうくぎをさす。

「タクシー運転手が、乗客からむちゃな要求や乱暴な命令を受ける事例はかなり多いです。無視するのが常識になっているために、事故が起きずに済んでいるとも言えます。今回の事件のように、運転手が要求に従ってしまい事故が起きたりすれば、無法の行動を要求した側にも法的責任が生じる場合があるということは理解してほしいと思います」

 そそのかしたことが事実であればだが、逮捕された男も、運転者がまさか本当に信号無視をするとは思っていなかったのかもしれない。車は一瞬で凶器に変わることを改めて胸に刻みたい。(AERA dot.編集部・國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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