巨人の畠世周
巨人の畠世周

 各地で熱戦が繰り広げられているセ・パ交流戦。この成績がペナントレースの行方を大きく左右するだけに、各球団は失速したくない。特にパ・リーグは混戦の様相を呈している。開幕ダッシュに成功し、最大貯金18と首位を快走していた楽天は失速。ソフトバンクが5月の月間成績15勝8敗と調子を上げて首位に浮上した。

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 今季のパ・リーグは実力が拮抗しているだけに、今後も順位が大きく変動する可能性がある。昨年42年ぶりに最下位に沈んだ西武は投手陣が奮闘して3位と好位置につけている一方で、昨年のリーグ覇者・オリックス、2020、21年と2年連続2位のロッテがBクラスに低迷。「BIGBOSS」こと新庄剛志監督が率いる日本ハムは最下位だが、松本剛が大ブレークしたことに加えて4番・野村佑希を筆頭に万波中正、清宮幸太郎、今川優馬と長打力が魅力の若手が多い。投手陣も上沢直之、伊藤大海、加藤貴之の先発3本柱が安定した投球を続けている。3、4月は月間成績9勝19敗と大きく負け越したが、5月は12勝12敗と健闘。巨人との交流戦でも2勝1敗とカード勝ち越しを決めるなど勢いに乗っている。

 新庄監督はトレードに対して積極的に動く姿勢を示しているだけに、交流戦後に実際に敢行する可能性がある。日本ハムは捕手と救援陣の層が薄い。そこでトレード候補としてメディアに名前が挙げられるのがロッテの田村龍弘だ。かつての正捕手も度重なる故障で近年は出場機会を減らし、今年は開幕2軍スタート。ドラフト1位の松川虎生、佐藤都志也、ファームに強肩が武器の加藤匠馬が控えて、田村の優先順位が下がっている。今年はFA権を取得見込みだったが、このままファーム暮らしが続くようだと危うい。ロッテとしても貧打に苦しんでいるだけに、強打の野手が欲しいところだ。田村をトレード要員にすることは考えられるが、スポーツ紙デスクは「ロッテと日本ハムがトレード成立する可能性は低いでしょう」と分析する。

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