打撃ではチームに欠かせない存在となっている巨人の新助っ人ウォーカー
打撃ではチームに欠かせない存在となっている巨人の新助っ人ウォーカー

 コロナ禍の影響で各チームともに優良な助っ人の獲得に苦労する中、巨人のウォーカーが活躍している。これまで、52試合に出場して打率.296、10本塁打、26打点と中軸の坂本勇人が離脱している状況で打線をけん引。今やチームに欠かせない選手となっている。

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 しかし外野手守備、特に肩はお世辞にもプロとは言えないレベルなことが話題だ。ウォーカーは米国時代、メジャーでのプレー経験こそないがチーム傘下のマイナーで長年プレーするなどプロ野球選手としての経験は豊富。だが、5月10日付の東スポWEBの記事によると「今まで外野守備を、コーチから教わったことなかった」というのだ。どうして、こんな状況が起こってしまうのだろうか。

 米国と日本では当然環境が違うが、やはり米国では“長所”を伸ばすことが重要視されること。また、どんな練習に取り組むかについては選手自身に委ねられている部分が多いのが主な要因となっているようだ。

 米国の大学で野球をプレーした経験者を持つ男性は、「米国では打撃練習しかやらないと言って良いほど。ノックなどは課題を持っている選手が個別でやっているくらい。守備練習に取り組んで上手くなろうとする選手は、打撃が弱く守備が必要だ、と自ら理解している場合が多い。また球場環境も守備力を大きく左右する。天然芝の難しさは内野のみについて語られることが多いが、外野でもゴロ打球が蛇行したりイレギュラーする。内野手のみでなく外野手に守備力の差が出るのはそういう部分も影響があるかもしれない」と分析する。

 中学、高校と米国でプレーした男性も「とにかく米国の選手たちは打撃が大好き」であり、練習にメニューについても「選手自身」が選択しているという同様の答えが返ってきた。“パワー”を身につける筋力トレーニングはチームからの指示があり、選手全員で取り組んでいたようだが、それをプレーにどう生かすかは選手個人に任されていたとのこと。ウォーカーの場合は得意の打撃を生かすために、学生時代は打撃中心の練習に励んでいたのだろう。

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時に“苦手部分”に目をつぶる補強も