2018年には日本代表でもプレーした北川航也
2018年には日本代表でもプレーした北川航也

 欧州各国の2021-22シーズンが幕を閉じた。所属リーグの注目度、クラブの大小はあれども、今季も多くの日本人が「海外組」としてプレーし、存在感を見せた。だが当然、すべての日本人選手が活躍したわけではなく、思うような結果が得られずに苦しんだ者も多い。そして今夏の「Jリーグ復帰」が取り沙汰される選手も出てくる。

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 すでに退団が決定的となっているのが、鈴木武蔵だ。抜群の身体能力を持ち、並外れた瞬発力と跳躍力が自慢のストライカー。2020年夏にベルギーのベールスホットへ移籍し、1シーズン目はリーグ戦26試合で6得点をマークしたが、2年目の今季は25試合出場で1得点のみ。チームの2部降格による契約解消条項を行使することにより、今夏のフリー移籍が可能となった。本人は欧州でのプレー継続を希望していると伝えられるが、FWの得点力不足、駒不足に悩むJクラブは多く、日本人としては希少なタイプだけに人気は高い。そして、“まだ”28歳ではあるが、ここから欧州トップクラブへと駆け上がるには“すでに”と言える年齢であり、このタイミングでJリーグに復帰して得点の感覚を取り戻すという選択肢は有意義なものになるはずだ。

 A代表歴のあるFWとしては、オーストリアのラピード・ウィーン所属の北川航也が大いに苦しんでいる。清水の下部組織育ちで2015年にトップ昇格し、2018年にはリーグ戦13得点の活躍を披露。同年10月にA代表に招集されると、翌2019年1月のアジア杯にも出場した。そして2019年の夏にオーストリアへ渡ったが、左足首靭帯損傷で出鼻を挫かれると、2シーズン目となる今季もポジジョン争いに敗れ、リーグ戦でのスタメン出場は1試合のみで無得点。契約期間は2024年6月までとされるが、クラブ内での立場は非常に厳しい。現在25歳、ストライカーとして優れた才能を持っていることは間違いなく、下位に沈む古巣・清水にとっても必要な人材であるはずだ。

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