東京五輪では日本代表として出場した昨年の賞金女王・稲見萌寧
東京五輪では日本代表として出場した昨年の賞金女王・稲見萌寧

 コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻、そして円安などが影響している物価上昇は、みなさんも肌で感じていることだろう。そんな中、18日に伝えられた2022年1月から3月までのGDP(国内総生産)速報値は、実質で前の3ヶ月比で0.2%の減少、年率換算だと1.0%減とのこと。マイナス成長となったのは2四半期ぶりということで、国内経済は厳しい状況が続き、我々のお財布事情に明るい未来が見えにくくなっている。

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 そして、日本はGDPで世界3位の経済大国ではあるが、これが平均年収となると話が変わってくる。国税庁の民間給与実態調査統計によると、2020年の平均年収は433万円。OECD(経済協力開発機構)のデータによると、G7ではアメリカ、カナダなどが右肩上がりの一方、日本は過去20年横ばいという状況で、平均所得はOECD加盟国の中で2000年時点の17位が、2020年になると22位にまで順位を落とす状況になっている。

 ちなみに民間給与実態調査統計による1997年の日本の平均給与は約467万円と2020年よりも約34万円高い。もちろん好景気で給与も上がっている業種もあるが、1990年以降の日本は「失われた30年」などとも言われており、国内経済はお寒い状態が長らく続いている。

 そんな中、こうして停滞している日本経済とは異なり成長を続けているのが国内の女子ゴルフツアーだろう。毎年、12月になると翌シーズンのスケジュールと賞金総額が発表されるが、近年、国内女子ツアーのそれは景気が良いものばかりが目立つ。

 例えば2015年12月には、ゴルフダイジェスト・オンラインが「来季の国内女子ゴルフ、初の賞金総額35億円突破 1増38試合」と伝えた。この数年前から女子ゴルフの賞金総額は右肩上がりとなっており、昨年はコロナ禍にも関わらず、史上最高の41億4,000万円。国内では男女通じて初となる“3億円大会”も誕生した。

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初代賞金女王が手にした額が驚き