日本ハムは新庄剛志新監督を迎えてどう変わった?
日本ハムは新庄剛志新監督を迎えてどう変わった?

 BIGGBOSSこと新庄剛志監督の就任以来、話題には事欠かない日本ハム。しかし、いざシーズンが始まってみると開幕からいきなり5連敗スタートと黒星を重ね、早くも優勝争いからは大きく脱落する状況となっている。期待されていた観客動員も札幌ドーム開催のゲームでは1万人を下回ることもあり、ファンからも失望の声が多い。

 ただその一方で新たにチームを作り替えようとしている狙いが随所に見られることは確かである。まずそれがよく表れているのが選手の起用法だ。これまで投手は24人、打者は27人が一軍に出場しているが、二軍暮らしが続いているのは故障やコンディション不良で出遅れた選手と、高卒ルーキーだけ。これまでの実績に関係なく、とにかく戦力を発掘しようという意識が強く感じられる。そしてその中から徐々にチームの主力となりそうな選手も増えてきている。

 投手で代表格と言えるのがドラフト8位ルーキーの北山亘基だろう。オープン戦から見事な成績を残してクローザーに抜擢されると、ここまで12試合に登板して3勝、3セーブ、防御率も1点台と見事な成績を残している(※以下、成績は全て5月13日終了時点)。指名順位に関係なく、長所を評価して抜擢した結果と言える。また昨年まで苦しんでいた吉田輝星もリリーフとして才能が開花し、ここまでチームトップとなる15試合に登板。救援登板した14試合のうち12試合を無失点で抑えており、チームに欠かせない存在となっている。高校からドラフト1位で入団した選手ということもあって先発としての期待も高かったが、適性を見極めて配置転換したことが奏功した格好だ。

 また同じくドラフト1位入団ながらなかなか殻を破れなかった上原健太もリリーフで好投を続け、巨人戦力外となって入団した古川侑利も貴重な戦力となっている。先発の柱として期待されていた上沢直之、河野竜生、立野和明などが揃って結果を残せていないのは誤算だが、彼らの調子が上がってくれば、ある程度戦える投手陣になる可能性は高い。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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