今年は投手としての飛躍を予感させている大谷翔平(写真/GettyImages)
今年は投手としての飛躍を予感させている大谷翔平(写真/GettyImages)

 労使交渉の影響で当初予定されていた3月31日の開幕が延期となり、4月7日にようやく幕を開けた今年のメジャーリーグ。シーズンのスタートが遅れたことでコンディションの調整が難しかったのは間違いないが、日本人選手たちは最初の1カ月でどのような出だしとなったのか。昨シーズンの開幕1カ月の成績と比べ、今季のパフォーマンスを確認したい。

 まず昨年はア・リーグのMVPとなるなど、充実のシーズンを送ったエンゼルスの大谷翔平。2021年の開幕から1カ月の成績(打者は開幕から30試合、投手は先発登板6試合目)と比べたところ以下のようになった。

■打者

・2021年
打率.275(120打数33安打) 10本塁打 26打点 6盗塁 25得点 32三振 長打率.633 OPS.954

・2022年
打率.252(119打数30安打)  6本塁打 21打点 4盗塁 23得点 31三振 長打率.445 OPS.761

■投手

・2021年
1勝0敗 防御率2.37 45奪三振 被安打16 被本塁打3 22四球 WHIP1.25

・2022年
3勝2敗 防御率2.78 46奪三振 被安打24 被本塁打3  7四球 WHIP0.96


 打撃では昨シーズンは10本だったホームランが6本に減少。長打率を見ても2割ほど下落しており、打撃成績、特に長打についての数字が落ちているのが分かる。今季はメジャーリーグ全体でも“打球が飛ばない”という指摘もあり、大谷もその傾向の通り、長打の部分で数値が下がっているようだ。

 同じ条件で放たれた打球が10フィート(約3メートル)も飛ばないというデータもあるようで、ホームランの減少の理由も少なからずここにあるのは間違いないだろう。大谷自身も「去年よりは(打球が)飛ばないという印象はある」とも語っている(※打球が飛ばない要因として、今年からMLB全30球団がヒュミドールというボールの湿気を一定に保つ設備を導入したことなどが指摘されている)。とはいえ、5月9日のレンジャーズ戦では初の満塁弾を含む2本塁打を放つなど打撃は上向きで、昨シーズン13本とホームランを量産した6月へ向け感触は悪くない。

次のページ
大谷、今季は投手で飛躍か