新学期は期待と不安でいっぱいです ※写真はイメージ (c)GettyImages
新学期は期待と不安でいっぱいです ※写真はイメージ (c)GettyImages

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 ずっと昔から、「こういうの、やめたほうがいいんじゃないかなぁ」と考えていることがあります。それは、学校の先生が言う、「1班5人で、好きな人と組をつくりなさい」という、グループの決め方です。このセリフを言われたとき「人数からあぶれないようにしなきゃ」と焦って、周囲を見渡した経験がある人が、ほとんどなのではないでしょうか。

 今年高校に入学した生徒が、新学期早々「今度、遠足があるんだ」と教えてくれました。そこでやはりというべきか、前述した先生のセリフが放たれたそうです。

「これはまた、ずいぶんと早い時期から……」というのが、私の感想です。高校に入ったばかりですから、まだそこまで親しい友人がいなくて当たり前です。そんな時期に、5人の友人とグループを組むのは(しかも奇数!)、なかなか難しいことでしょう。仲良しの子がいたとしても、その子がほかの友人と組んでしまうケースだってあり得るわけです。

■一人が好きでも、あぶれるのが平気とは限らない

 この生徒の話によると、まだあまり周囲となじめていない生徒がいて、その子は誰とも組めなかったとのこと。結局、どのグループに入るかを、先生が決めたのだそうです。

 これにより、クラスメートは、「あの子には、グループを組もうと言ってくれる友人がいない」という印象を持ってしまう恐れがあります。高校生という多感な時期に、このような嫌な思いをさせてしまう恐れがあることを、学校や教師はもっと考慮してほしいと思うのです。

 もちろん、普段から一人でいるのが好きな生徒もいるでしょう。しかし、休み時間に一人で本などを読んでいることと、「グループ決めのときにあぶれてしまった」という結果をクラスじゅうに周知されることでは、少し違うのではないでしょうか。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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