4月21日、伊勢神宮外宮に参拝した秋篠宮ご夫妻
4月21日、伊勢神宮外宮に参拝した秋篠宮ご夫妻

 26日、秋篠宮ご夫妻が東京都八王子市の武蔵陵墓地にある昭和天皇陵と大正天皇陵を参拝した。三重県伊勢市の伊勢神宮、奈良県の神武天皇山陵への参拝と同様に、秋篠宮さまが皇位継承順位第1位の皇嗣になったことを示す「立皇嗣の礼」を終えたことを報告した。これで2020年11月に行われた立皇嗣の礼の関連行事を終えたことになる。だが、この重要な節目にもかかわらず秋篠宮ご夫妻の周辺が騒がしい。皇室を支持する保守層からも愛子さまと「天皇論」を結びつけ期待する声が漏れ、令和の皇室の迷走が続く。

【写真】筑波大付属高校入学式に黒色のリュックで向かった悠仁さま

*  *  *

 4月21日早朝。

 モーニングと白いロングドレス姿の秋篠宮さまと紀子さまが伊勢神宮の外宮へと進んだ。直前まで降り注いでいた雨はやみ、あたりは静寂に包まれた。

 おふたりの奉仕を支えるのは、秋篠宮さまの妹で伊勢神宮の祭主を務める黒田清子さんだ。

 ご夫妻は、天照大御神の食事を司る豊受大神を祭る外宮(げくう)を参拝したのち、皇祖神である天照大神を祀る「内宮(ないくう)」に拝礼した。

 翌日は奈良県の神武天皇陵、そして午後は、ご夫妻の意向で京都の泉涌寺(せんにゅうじ)にある孝明天皇陵、京都伏見の明治天皇陵を参拝した。26日には東京・八王子の武蔵陵墓地にある昭和天皇陵と大正天皇陵などを参拝。

 いずれも秋篠宮さまが皇位継承順位第1位の皇嗣になったことを示す「立皇嗣の礼」を終えたことを報告し、20年11月に行われた一連の行事のいわば最終章である。

「立皇嗣の礼」に関わる一連行事の重要性はいうまでもない。いまの天皇陛下から皇嗣である秋篠宮さま、そして長男の悠仁さまへと受け継がれる皇位の在り方を、明確にするものだ。

 特に三重・奈良・京都訪問は、祭祀を大切にする秋篠宮家の姿勢がにじむものだった。秋篠宮さまの伊勢への参拝は今回で16回、紀子さまは9回目となった。

やまぬ周辺の雑音

 ご夫妻の意向で参拝した孝明天皇稜は、泉涌寺内にある。

 皇室の菩提寺(ぼだいじ)として知られる泉涌寺には、後水尾天皇から孝明天皇までの江戸時代の天皇と皇后、妃の陵も造営されている。「御寺泉涌寺を護る会」の総裁を務める秋篠宮さまが、孝明天皇陵、明治天皇陵の参拝に臨んだのも自然な流れだ。 

 平成の時代から皇室の伝統と文化を熱心に継承し、公務や祭祀を立派に務めあげるご夫妻だが、周辺が何かと騒がしい。

 静岡福祉大学名誉教授で皇室制度を研究する小田部雄次氏は、こう嘆く。

次のページ
「愛子天皇」人気と現実