高松商の浅野翔吾
高松商の浅野翔吾

 センバツ高校野球が終わり、大学野球では春のリーグ戦、社会人野球では日本選手権の出場権がかかるJABA大会が各地で行われる時期となった。今年ドラフト対象となる選手については連日アピールが続いているが、そんなドラフト候補について投手、野手に分けて4月時点での評価をランキング形式で紹介したいと思う。今回は野手編だ。

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<投手編>高校生で唯一選出されたのは? 現時点でのドラフト候補トップ10】より続く

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10位:松尾汐恩(大阪桐蔭・捕手)

 高校球界を代表する強打のキャッチャー。秋は膝の故障で少し動きが悪かったが、センバツでは抜群のフットワークと強肩で見事なスローイングを連発。改めてその能力の高さを見せつけた。少しバットを引く動きが大きいのは気になるが、リストの強さは抜群で長打力も申し分ない。昨年の明治神宮大会、今年のセンバツ高校野球と大舞台でしっかりと結果を残せるのも大きな魅力だ。

9位:野口泰司(名城大・捕手)

 強肩強打が魅力の大学生捕手。昨年12月に行われた大学日本代表候補合宿でも全国から集まった捕手の中で、ワンランク上のプレーを見せている。スローイングは少し反動をつける動きが大きいものの、ハンドリングが巧みで肩の強さも十分。グリエル(アストロズ)を彷彿とさせる大きい構えからの打撃も長打力と確実性を兼ね備えている。捕手としての総合力ではトップと言える存在だ。

8位:奈良間大己(立正大・遊撃手)

 高校3年時にはU18侍ジャパンにも選ばれた強打のショート。立正大でも順調に成長を続け、大学日本代表候補にも選出されている。体はそれほど大きくないが、全身を大きく使って強く振ることができ、広角に打てる上手さもある。ショートの守備もフットワーク、スローイングともに高レベルだ。現在は東都二部所属だが、相変わらずプロからの注目度は高く開幕週でもヒットを量産した。

7位:門脇誠(創価大・遊撃手)

 抜群のパンチ力とスピードが魅力のショート。高校時代から守備の動きは抜群だったが、大学で見違えるほど体が大きくなり、打撃のパワーもアップした。上背はなくても軽々とスタンドへ運ぶ長打力があり、昨年秋は4割を超える打率を残すなど確実性も高い。また三遊間の深いところからでもノーバウンドで届く強肩も魅力だ。この春も開幕週から攻守にわたってアピールした。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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