兵庫県明石市議会に出席し百条委設置の議論を見守る泉房穂市長
兵庫県明石市議会に出席し百条委設置の議論を見守る泉房穂市長

兵庫県明石市の泉房穂市長が昨年12月から始めたツイッターの勢いが止まらない。県の政策や岸田政権、大阪府の吉村洋文知事らへの批判もあれば、時には地元名物の明石焼きのPRと、硬軟織り交ぜ毎日10近いツイートをしており、現在フォロワー数は約12万に達している。しかし、あるツイートが問題視され、明石市議会が、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置する事態となっている。

【泉市長の問題のツイートはこちら】

 問題とされたツイートは2月12日、明石市内に工場がある大企業の課税額についてだった。

<『法人税割』が『5年連続でゼロ』の理由も尋ねた。「赤字決算なので」との回答だったが、ゼロってなんだかなぁ。>

 そこには、大手企業の法人市民税の課税額(2014~21年度分)が記録された書類の写真が添付されていた。

 市議会は、地方税の事務に従事している者が、秘密漏洩(ろうえい)をした場合に定められる、地方税法22条(2年以下の懲役または100万円以下の罰金)に抵触していないかなどを調べる必要があるとして、4月7日に百条委の設置を決めた。

 市長のツイッターでのつぶやきが、百条委員会の設置につながるという前例がないような展開に。AERAdot.で「ツイッター・デビューから1カ月で大人気の泉明石市長が語る『これはあかん、失言や』」(1月15日)で報じたように、ツイッターに意欲を燃やしていた泉市長。意気消沈しているのではないかと再度、直撃すると、

「記者会見でも申し上げたように、自分としてはセーフのツイートかと思っていました。しかしまわりの意見も聞き、削除しました。法律に抵触するテーマだとは思っていないが、望ましくないと判断した。百条委員会では丁寧に対応したい」

 と神妙な面持ちで語ったが、「けど、ツイッターをやめるとか、そういうことではありませんよ」とのこと。

 泉市長に話を聞いたのは4月11日夜。この日の午後、市長は、兵庫県の斎藤元彦知事との会談に臨んでいた。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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