日本体育大・矢沢宏太(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)
日本体育大・矢沢宏太(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)

 センバツ高校野球が終わり、大学野球では春のリーグ戦、社会人野球では日本選手権の出場権がかかるJABA大会が各地で行われる時期となった。今年ドラフト対象となる選手については連日アピールが続いているが、そんなドラフト候補について投手、野手に分けて4月時点での評価をランキング形式で紹介したいと思う。今回は投手編だ。

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10位:羽田野温生(東洋大)

 最速156キロを誇る大型本格派右腕。昨年秋クローザーとして9試合、12回を投げて防御率0.00と見事な結果を残した。今季初登板となった東京農業大戦では甘く入った変化球を長打にされて1点を失い課題も見せたが、ストレートは152キロをマークし相変わらずのスピードを見せている。リリーフが手薄な球団にとってはうってつけの人材である。

9位:田中晴也 (日本文理)

 今年の高校生では代表格となる本格派右腕。公式戦はこれからのため昨年時点での評価となるが、最速147キロをマークした夏の甲子園と比べても、秋季大会では楽に投げてスピードが出るようになっており、安定感は確実に増していた。また打者としてもスケールは申し分ない。夏までに150キロをクリアする可能性もあり、そうなれば上位指名も見えてくるだろう。

8位:加藤泰靖(上武大)

 最速153キロを誇る関甲新学生リーグを代表する右腕。上半身と下半身のバランスが良いフォームが特長で、年々安定感は増している印象を受ける。一方で最速をマークしたのは2年秋で、それ以降は少しスピードが出ていないのは気になるところで、今年もやや抑え目の投球が続いている。リーグ戦終盤、出場権を得た場合はその後の大学選手権でどこまで球威を上げてくるかに注目したい。

7位:荘司康誠(立教大)

 今年の東京六大学を代表する大型右腕。昨年秋までは未勝利だったが、4月16日の法政大戦で7回を1失点と見事な投球で初勝利をマークした。190cm近い長身で上から楽に腕が振れ、角度のあるストレートと落差のある縦の変化球が持ち味。まだ体つきは細く、不安定な部分はあるものの、スケールの大きさは今年の候補の中でも指折りだ。今後の投球次第ではさらに評価が上がることも十分に考えられる。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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2位は昨年“指名漏れ”の社会人右腕