日本ハムの新庄監督(左)と阪神の矢野監督
日本ハムの新庄監督(左)と阪神の矢野監督

「優勝しなくてもいい」と語った新庄剛志監督率いる日本ハムは、大方の予想通り最下位となっている。そして、2021年は12球団最多の77勝をあげた阪神も最下位(ともに4月14日時点)。「今季限りの退任」を公言してナインの奮起を促した矢野燿大監督だったが、リーグワースト新記録の開幕9連敗を喫した。

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 かつて「監督交代は危機のとき」と語り、就任1年目に優勝を果たしたのは、後のV9監督・川上哲治(巨人)だった。日本ハムと阪神は、今後どれだけ負け続けるのか。01年以降の最下位チームの例を探ってみた。

 プロ野球は「勝率6割で優勝できる」と言っても過言ではない。01年から21年までで、勝率6割を超えて優勝したのはセ・パ両リーグとも各9チーム。21年は、ヤクルトが勝率584、オリックスが勝率・560だった。つまり、6割勝てなくても優勝できるのだ。

 優勝チームの勝率が6割なら、最下位チームの勝率は4割くらいになるものだが、それよりはるかに低い勝率・350以下のチームは、01年以降の両リーグ最下位計42チームの中でもわずか5チームしかない。いずれもあと少しでシーズン100敗を喫するところだった。

■2003年、横浜、94敗、勝率・324(山下大輔監督)/01年限りで「司令塔」谷繁元信捕手が中日に移籍した影響か。捕手は中村武志、相川亮二、中嶋聡の併用。チーム最多はドミンゴの8勝。
■05年、楽天、97敗、勝率・281(田尾安志監督)/近鉄がオリックスに吸収合併された後に球団創設。チーム最多は岩隈久志の9勝。翌年、野村克也監督就任も勝率・356の最下位。
■08年、横浜、94敗、勝率・338(大矢明彦監督)/チーム最多は三浦大輔の7勝。06~15年の10年間はすべてBクラスで最下位7度。
■10年、横浜、95敗、勝率・336(尾花高夫監督)/尾花監督は投手育成の手腕を買われて巨人投手コーチからの転身だったが、2年連続最下位で退任。チーム最多は清水直行の10勝。
■17年、ヤクルト、96敗、勝率・319(真中満監督)/「2年連続最下位から奇跡の優勝」の2年後に大負け。チーム最多は小川泰弘の8勝。

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