滞在時間を提示して長時間利用を抑制へ(バカン提供)
滞在時間を提示して長時間利用を抑制へ(バカン提供)

 ここまでくるとあきれるばかりだが、「トイレの快適化」が導いた長時間利用の実態には、様々な問題が生じているのがわかる。

 だが、こうした傾向は日本だけの問題ではない。先のバカンでは、個室内に電子ディスプレーを設置し、トイレの混雑状況を可視化するシステムを提供している。「現在の利用時間15分以上」「20分以上」などと表示が出ることで、長時間利用を抑制する仕組みだ。

「中国や台湾でも長時間利用が課題になっており、当社でも事業を展開しています。イギリスでは傾斜のついた便器を用いて長居しづらくする対策がとられるケースもあるほどです。トイレのあるところに長期滞在の課題がある」(広報担当者)

 個室トイレの外では、本当に必要としている人が困っているケースも多々ある。改めて自分のトイレ利用が適切か、考えてみてほしい。

(AERAdot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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