千葉ロッテの佐々木朗希投手(画像は2021年10月14日)
千葉ロッテの佐々木朗希投手(画像は2021年10月14日)

 千葉ロッテの佐々木朗希投手(20)が完全試合を達成した歴史的一戦について、生中継しなかった地元の千葉テレビに批判が寄せられているとの一部報道があった。だが、そもそもテレビ局のプロ野球中継予定は開幕前に決まっており、また、千葉テレビのロッテ戦中継は以前からほぼ平日のナイターに限られている。局の担当者は「困惑」の心境を明かし、地元のロッテファンからも批判に疑問の声が出ている。

【写真】高校球児時代の初々しい佐々木朗希投手

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 佐々木朗は、10日の午後2時から千葉市のZOZOマリンスタジアムで行われたオリックスとのデーゲームで、プロ野球で28年ぶりとなる偉業を達成した。

 一部報道では、この試合を生中継しなかった地元の千葉テレビに対し、「こんな試合を一秒も放映しなかった千葉テレビは反省してください」「こういう日に、なんで放送しないのかね、千葉テレビよ」「今日に限って千葉テレビで放送してない…」などと批判する声がネット上にあふれたとした。さらに同じメディアが後日、局にはこの件に関し多くの問い合わせが来たとも報じた。

 ただ、こうした報道に疑問を挟むロッテファンもいる。千葉県松戸市に住む40代男性はこう話す。

「土日に千葉テレビがロッテ戦をやらないことは、地元ファンはそれなりに知っていると思います。県外のロッテファンも多いけど、千葉テレビが映らない地域の人には関係ない話だし。事情を知らない千葉県民が試合経過を何かで知って、急いでチャンネルを回してがっかりしたのか……。どこからそんなに批判が出ているのかと不思議な気持ちです」

 千葉テレビは以前から、主に本拠地でのロッテ戦を、ほぼ平日のナイターに限って放映してきた。番組名も「マリーンズナイター」で、その名のとおりである。

同局の担当者は、

「土日と違い、平日の夜はファンの方もお仕事などでなかなか球場に行けないと思います。帰宅された後にテレビで試合を楽しんでいただきたいと、マリーンズナイターを放映してきました」

 と趣旨を説明する。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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