今季から神戸に加入した槙野智章
今季から神戸に加入した槙野智章

 2022年のJリーグが開幕して1カ月が経過した。まだ序盤戦ではあるが、今冬にチームに加わった「新加入組」が果たしている役割、影響は非常に大きい。オフに騒がれた注目の“大物たち”は、果たしてチームにフィットしているのだろうか。

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 開幕から最もスムーズかつ大きなインパクトを放っている新加入選手は、2年半ぶりに古巣復帰したFW鈴木優磨(鹿島)だろう。G大阪との開幕戦で復帰後初ゴールを決めると、3月11日の神戸戦では強烈なミドルを叩き込み、代行監督を務めた岩政大樹コーチと熱い抱擁。持ち味であるゴールへ強い意欲と鋭い嗅覚を存分に見せつけるとともに、状況に応じた変幻自在のポジショニングから巧みにチャンスを作り出し、代表ウィーク明けの4月2日の清水戦では貫禄のプレーで1得点1アシスト。「アントラーズを優勝させるために帰ってきました」との言葉通り、5試合を終えて勝点15(5勝1敗)の好発進の原動力となっている。

 同じく開幕から爆発を続けるストライカーが、アンデルソン・ロペス(横浜FM)だ。2016年夏に広島に加入した後、2018年に韓国・FCソウル、2019年から札幌でプレーし、中国・武漢での半年間を経て、今年2月に3度目の来日。C大阪との開幕戦で途中出場から1得点1アシストの活躍を見せるなど、ここまでリーグ戦全8試合(先発出場5試合)に出場して3得点をマーク。強くて高くて速く、前線での存在感は絶大。春季キャンプで不在だったにも関わらず、すぐさま結果を出し、チームに不可欠な存在となっている。

 彼ら2人と違い、Jリーグ未経験ながら鮮烈なデビューを飾ったのが、ダヴィド・モーベルグ(浦和)だ。スウェーデン代表歴もある左利きのドリブラー。3月4日まで来日が遅れたが、同19日の磐田戦の後半開始から途中出場すると、わずか3分後に単独での仕掛けから3人のDFに囲まれながらも細かいステップを踏み、タイミングをずらして左足一閃で初ゴール。続く2日の札幌戦では、冷静にPKを沈めて2戦連続となるゴールを決めた。ドリブルに入った際の初速が段違いに速く、切れのあるフェイントでDFを剥がし、巧みなパスでチャンスを演出。浦和の背番号10としての信頼度と期待感は、ボールに触れる度に大きくなっている。

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一方、新天地で苦しんでいる選手は…