2018年のロシアW杯でもメンバーに選ばれた川崎フロンターレの大島僚太
2018年のロシアW杯でもメンバーに選ばれた川崎フロンターレの大島僚太

 無事に7大会連続のW杯出場を決めたサッカー日本代表だが、格下ベトナムに引き分けるなど、森保一監督が率いる現チームには改善すべき点が多くある。そこで大きな鍵を握るのがメンバー選考。本大会は史上初の冬開催(11月21日~12月18日)であり、時間はある。最終予選の貢献度は度外視した“サプライズ招集”も考えるべきだ。

【ランキング】南野15億円、久保12億円…日本代表選手らの「市場価格」はこちら!

 真っ先に改善箇所として挙げられるのが、毎試合途中交代が続いた左サイドバックだ。現在35歳、W杯開催時には36歳となっている長友佑都(FC東京)には、現状維持こそあれ、上昇を求めることはできない。中山雄太(スヴォレ)の成長、さらには若手の抜擢も期待したいが、失敗が許されない守りのポジションであるということ、経験も必要になることを考えると、Jリーグで確かな評価と地位を確立している吉田豊(名古屋)を“特効薬”としてチームに加える手がある。

 現在32歳。A代表未経験だが、攻守に渡る豊富な運動量と球際の強さは国内最高レベル。U-17、U-23代表の経験に加え、J4クラブを渡り歩きながら常にレギュラーを務めてきた実績は対応力の高さを示し、何よりどんな相手にも怯まない闘争心を持っている。今季のJリーグで開幕4試合中先発1試合のみの長友が、このまま出場時間を増やせないようならば、決断しやすいはずだ。

 最終予選途中から遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(サンタクララ)、田中碧(デュッセルドルフ)の3センターが不動となった中盤も、ベトナム戦で原口元気(ウニオン・ベルリン)、旗手怜央(セルティック)、柴崎岳(レガネス)らの控え組との“差”を露呈。大会を勝ち上がるためには人材が必要になる。そこで白羽の矢を立てたいのが、29歳となった天才司令塔、大島僚太(川崎)だ。

 ハリルホジッチ時代の2016年にA代表デビューし、前回2018年のW杯ロシア大会でメンバー入りした実力者。故障離脱を繰り返してきたことでキャリアが停滞したが、抜群のテクニックとパスセンスで“違い”を作り出すことでき、能力の高さは折り紙付き。旧知の面々が多く揃う「フロンターレ組」として連携面の不安も少なく、現メンバーよりもインサイドハーフとして攻撃力アップが期待できる。今季このままコンディションを高めながら本来の姿を取り戻していけば、11月のカタールの地でも使いたくなるような選手だ。

次のページ
かつては代表の主力だった“あの選手”も