矢野燿大監督
矢野燿大監督

 17年ぶりのリーグ優勝を狙う阪神が屈辱的なスタートを切った。昨年日本一に輝いたヤクルト相手に、球団史上初のホーム開幕戦3連敗。3月25日の開幕戦で7点リードを守り切れなかった大逆転負けが、結果的に尾を引く形になった。

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 試合中盤までは完ぺきだった。初回に先制されたが、2回に糸井嘉男の犠飛で同点に追いつくと、3回に糸原健斗、糸井の連続適時打で3点を勝ち越し。4回も新4番・佐藤輝明の適時二塁打、糸井の1号2ランなどで4点を追加する。この時点で8-1。楽勝ムードのはずだった。

 2年連続開幕投手を務めた藤浪晋太郎は7回3失点の粘投。5点リードの8回から継投策に入るが、ここから想定外の展開に。斎藤友貴哉がサンタナに2ラン被弾し、ピンチを作って降板すると、岩崎優も集中打を浴びて1点差に迫られる。昨年までは絶対的守護神・スアレスがいたが今年はいない。抑えとして期待がかかる新外国人・ケラーに9回を託したが、山田哲人に同点弾を浴びると、サンタナにこの日2本目の勝ち越し2ランを浴びて3失点。8-10の大逆転負けを喫した。

「ケラーは初登板なので責めるのは酷です。それよりセットアッパーとして稼働してきた岩崎の球にキレがないのが気になりました。個人的には8回に斎藤を登板させた采配に疑問が残りました。長身からの150キロを超える直球が武器の本格派右腕ですが、タイプが藤浪と重なり、球速が落ちて制球力がまとまっているので相手打者からすれば打ちやすく感じる。救援陣の層が薄いのが気がかりです。糸原も適時三塁打を打ちましたが、5番という打順は迫力不足かなと。4番・佐藤の後に1発を打てる大山悠輔を入れた方が打線の迫力が違う。5番にパワーヒッターを置けば、佐藤を歩かせてもOKとならない。結果論かもしれませんが…」(スポーツ紙記者)

 開幕戦は8得点を奪ったが、2,3戦目は2試合連続完封負けを喫した。2戦目は散発2安打とつながらず、3戦目は5安打。序盤に好機を作ったが生かせず、ドラフト3位左腕・桐敷拓馬は6回途中3失点と踏ん張ったが援護できなかった。

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