新庄監督は就任以来、レギュラーが白紙であることを強調している。ただ、昨年「1軍出場なし」に終わった清宮に大きな期待を寄せていることは間違いないだろう。2月16日の練習試合・中日戦の試合前には、敵将の立浪和義監督が清宮にマンツーマン指導を行う驚きの光景が見られた。指揮官が立浪監督にお願いする形で実現した異例の指導だった。早実で高校通算111本塁打をマークし、ドラフト1位で高校生史上最多の7球団が競合した逸材がこのまま消えてしまうのは惜しい。他球団の首脳陣も「ボールを飛ばす能力は指導しても身につけられない。あれだけの才能がくすぶっていれば、誰だってどうにかしたくなるよ」と漏らしていた。

 入団時に「球界の至宝」と称された清宮を預かる日本ハムの責任も大きいだろう。だが、思い切った荒療治をしなければ結果が出ない状況に追い込まれている。プロ5年目。打撃フォームを劇的に変えて光を見いだせるか。(安西憲春)