「R-1グランプリ2022」の審査員に抜擢されたバカリズム
「R-1グランプリ2022」の審査員に抜擢されたバカリズム

 ピン芸(ひとり芸)日本一を決める大会『R-1グランプリ2022』の決勝が3月6日に行われる。その模様はカンテレ・フジテレビ系全国ネットで生放送される。

【写真】くりぃむ上田に「天才」と言われながら25年間パッとしなかったのはこの人!

『R-1』は2002年に始まり、その後は毎年開催されてきた。昨年の大会では出場資格や司会者などに大幅な変更があり、大会全体がアップデートされた。今年の大会でも昨年の変更点はほとんどそのまま踏襲されており、新しい形の『R-1』が2年目を迎えることになる。

 もともと『R-1』では出場者の参加資格に制限がなかったのだが、昨年から「芸歴10年以内」という制限が加わった。決勝に何度も出ていた芸歴の長い中堅芸人は軒並み出場資格を剥奪されてしまった。

 しかし、そのことにより、『R-1』は若手中心のフレッシュな大会として生まれ変わり、昨年もそれなりの盛り上がりを見せた。そして、今年はさらにその改革が一歩押し進められている。

 具体的には、バカリズム、小籔千豊の2人が初めて審査員に加わった。ネタの面白さに定評があり、『R-1』で何度も決勝に進んだ経験のあるバカリズムと、吉本新喜劇の座長を務める小籔。芸人としてもテレビタレントとしても文句なしの実績と知名度を持つ2人が新たに審査員になったことで、権威ある大会というイメージがさらに強固になった。

『R-1』に出場していたおいでやす小田も、自身のツイッターで興奮気味に「これは大きい!!!/よくぞバカリズムさんを口説き落とした!!/R-1すごい!/勝手にあり得ないと思っていた!!/間違いなく大幅に一歩前進!!!/歴史的な前進!/これだけで必見!!!」と書き込み、喜びをあらわにしていた。芸人にとって「あのバカリズムが審査をする」というのはそれだけの重みのあることなのだ。

 また、これまでは放送作家、プロデューサーなどのスタッフが準決勝までの予選審査を担当していたのだが、今年の大会では準決勝の審査員としてピン芸人のヒューマン中村とルシファー吉岡が加わった。彼らは『R-1』でたびたび決勝に進んでいた常連組だった。

著者プロフィールを見る
ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

ラリー遠田の記事一覧はこちら
次のページ
実績を残した審査員なら結果にも納得できる