ダルビッシュ有投手(GettyImages)
ダルビッシュ有投手(GettyImages)

 日本では2月1日からプロ野球の春季キャンプが始まり、球春の到来が訪れた。一方、アメリカの球春の到来はまだ先となりそうだ。昨年末から続く新労使協定を巡る交渉は今も難航している。そうした状況で、選手は自身の練習風景をファンに向けて発信している。ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)もその1人だ。

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 ダルビッシュは昨年11月頃からトレーニングを行なっており、12月頃からその練習風景を発信している。そして1月21日からブルペンでの投球を始め、1月25日から初めて座った捕手を相手にブルペン投球を行ったことや、パドレスの同僚ジョー・マスグローブとともに練習を行ったこと(25日)等、全て自身のSNSで報告している。また、ダルビッシュは自身の練習風景(動画)も投稿している。

 メジャーを代表する選手の投稿は、いつMLBが再開するかわからない中では貴重な情報源となり、大きな反響も呼んでいる。例えば、ダルビッシュが1月28日に公開した捕手の目線からみたスライダーの投球映像は300万以上も視聴されている。この動画には、元日本ハムで現在解説者の森本稀哲氏や、横浜やロッテでプレーしていたブランドン・マン氏、さらにタレントのエハラマサヒロ氏といった著名人も反応し、国内外のファンから500以上のコメントを集めた。さらに、「このスライダーで指が数本切れるかも」(アスレチックスのクリス・バシット投手)や「エグい」(ブルージェイズのロス・ストリップリング投手)など、複数の現役MLB選手や現地メディアも取り上げている。

 このように、ダルビッシュの動画は大きな話題となったのだが、それは、現地から今季のダルビッシュに期待が寄せられているのも大きいだろう。ダルビッシュは『ジ・アスレチック』をはじめ『ブリーチャー・レポート』など、各メディアから「今季復活を遂げる投手」と予想がされている。

 昨季のダルビッシュは最初こそは好調だったが、7月の前半戦最後に股関節の炎症を発症して以降、大幅に成績を落とした。現地メディアからは、ダルビッシュが健康状態を維持できていれば前半戦のような素晴らしい投球を続けられただろう、と惜しむ声がいくつも上がっている。パドレスの地元紙『サンディエゴ・ユニオン・トリビューン』による各選手の今季展望記事(1月28日掲載)では「(昨季)シーズン終了間際に負傷者リストに入ったダルビッシュは、腰に何が起こっているかを究明していた。もしそれが解決されていれば、2022年は昨季の前半戦のような投球が期待できる」と、述べられている。また、2月1日にスポーツ専門メディア『ブリーチャー・レポート』で掲載された記事でも、今季に復活が期待される10選手にダルビッシュを選ぶ、健康を保つことができれば再び復活できる、とも書かれている。

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