「中等症向け200床を用意しましたが、現在は稼働しているのは約30床です。感染状況に応じて数は調整しますが、準備が整っていない。200床はあくまで最大です」(大阪府健康医療部)

 無症状・軽症患者用は1月31日から運用しているが、こちらの利用者は1日あたり、10人前後という。センターを訪れたことがある、大阪市保健所関係者が内情をこう明かす。

「震災などで体育館に住民が避難している光景をテレビでよく見ますが、それと似た感じです。仮設のパーテーションで区切って部屋を作っている。展示場ですから天井が高く吹き抜けで、吉村知事が野戦病院と呼んでいますが、その通りです。新型コロナウイルス感染者は咳の症状がひどい。現場の医療スタッフに聞くと、夜になると咳の音がすごく響くそうです。(AERAdot.で既報のように)出される食事の内容も低予算でひどく、病人にはきつい。保健所でも無症状・軽症患者にはあまりお勧めしていないようです」

 大阪の医療クライシスはいつ収束するのだろうか。

(AERAdot.編集部 今西憲之) 

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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