平野歩夢(右)と弟の平野海祝
平野歩夢(右)と弟の平野海祝

 北京五輪もいよいよ大詰め。今大会ではきょうだいアスリートの存在感が目立つ。スピードスケートの高木菜那(29)・美帆(27)姉妹、スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢(23)・海祝(19)兄弟、ノルディック複合の渡部暁斗(33)・善斗(30)ほか、女子ハーフパイプの冨田せな(22)・るき(20)姉妹、スキージャンプの小林潤志郎(30)・陵侑(25)兄弟など。アイスホッケーでは姉妹が3組も出場しているほどだ。

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 調べてみたところ、今大会のきょうだいアスリートの出場は過去最多の計20人(10組)で、2021年夏の東京五輪と比べても数が際立つ。冬競技にきょうだいアスリートの出場が多いのはどうしてなのか。妹の今井メロさんとともに活躍し、スノーボードハーフパイプ代表として2006年のトリノ五輪に出場した元日本代表の成田童夢さんが、その理由を語った。

――今大会の日本代表のメダルのうち、半数以上がきょうだいアスリートによる獲得です(2月17日時点)。出場数の多さも目立ちますね。

 冬競技は、昔からきょうだいアスリートが多かったかなと思います。特にスノーボードのきょうだいは多く、トリノ五輪に一緒に出ていた村上史行選手も、兄の大輔選手と共に兄弟で活躍していました。

 改めて考えてみると、スノーボードってきょうだいしかいないですね(笑)。今大会ではスノーボードが男女ともにきょうだいで出場していたということで、より目立つようになったのかなと思います。

――冬競技にきょうだいアスリートが多くなる要因は、どんな点にあるのでしょうか。

 冬の競技は、家族のサポートがないとできないスポーツばかりです。子どもの頃は練習場所まで行くために、たいていは親の送り迎えが必要になってきます。親は下の子を放っておくわけにはいかないので、車で一緒に連れていく。下の子は兄や姉の練習している姿を見ているうちに、自分もやりたいと言って同じ競技を始めるケースは多いと思います。

 そして、コーチが少ないというのも、だいぶ影響していると思います。冬競技に共通して言えることとして、コーチが圧倒的に少ないんです。

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「父親がコーチ役に」