こうした中、大阪府・市の顧問として菅、安倍政権の懐刀だった和泉洋人元補佐官が助っ人として登場した。

「大阪府・市と蜜月の竹中氏と維新と近い安倍、菅両元首相の側近の和泉氏と登場人物だけ見ても、きな臭い話です」(同前)

 自民党幹部もこう危惧する。

岸田首相と大阪のIR誘致の話をしたことがある。その時、『大阪で(IRが)決まったわけではないだろう』と珍しくきつい調子でした。岸田首相はIRについて安倍氏、菅氏ほど前向きではないが、大阪側は和泉、竹中両氏を介し、何とか岸田首相から言質を取りたいという狙いではないのか。確定的とみられる大阪のIR誘致が失敗すれば、最後は国が助け舟を出さざるを得ません。岸田首相は大阪の税金投入を知り、問題に敏感になっています」

 AERAdot.編集部が竹中氏に松井市長とIR事業の土壌改良問題について協議したことがあるかと質問すると、「ありません」と回答。さらに「大阪府・市や維新と近すぎる」との指摘については「そのような文書は承知していません」と答えた。

 新型コロナウイルス感染拡大が止まらず、「医療崩壊」が指摘される大阪。一歩、間違えれば、IR誘致は、さらなるクライシスとなりかねない。

(今西憲之 AERAdot.取材班)