カミラ・ワリエワ
カミラ・ワリエワ

 ドーピング問題の渦中にいるフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ROC)への批判が強まっている。

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 ワリエワは異次元の強さで今季世界最高点を何度も更新してきた。複数の4回転と豊かな表現力を武器に、北京五輪の団体戦でもショート、フリーで共に1位になり、ロシア・オリンピック委員会の団体戦金メダルに大きく貢献。ところが、昨年12月にロシア選手権で出場した際に禁止薬物トリメタジジンが検出されたことが判明。ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は暫定資格停止処分を科したが、選手側の異議申し立てを受けてRUSADA規律委員会が解除。この決定を不服として、国際オリンピック委員会(IOC)などが訴えたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は16歳未満の「保護対象者」に当たることなどを理由に挙げ、訴えを退けた。

 女子シングルスに出場したワリエワは15日のショートプログラムで1位の82・16点をマークしたが、アスリートや専門家たちは怒りを示した。米NBCで解説を担当した元米国の代表ジョニー・ウィアー氏はワリエワの演技中に言葉を発さず、試合後に「クリーンな選手と競争させるべきでない」と思いを綴った。また韓国でも解説者による「無言の抗議」が行われたという。

 ワリエワがシングルスに出場したことは、他の選手にも影響を及ぼしている。日本の坂本花織はSPで出色の出来栄えで自己ベストの79・84点をマーク。「ロシア3強」の一角を崩した演技は海外のスケーターたちからも絶賛された。坂本は団体でも銅メダルを獲得しており、個人種目も3位以内に入れば2種目でメダルに輝くことになる。だが、ワリエワが表彰台に立った種目はメダル授与式が行われない。カナダの五輪団体ペア金メダリストのメーガン・デュハメル氏は「もし(坂本)カオリが3位以内に入って、北京五輪で2個のメダルを取っても、ROCの行いのせいで彼女が罰せられるってこと?」とツイートで怒りをにじませて問題提起。演技終了後に、海外メディアからワリエワの一件に対して質問が集中する事態となり、坂本は戸惑いの表情を浮かべていた。

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