巨人の外国人補強戦略が変わりそうな予感があるーー。20年11月と21年2月にドミニカ共和国で行われたトライアウトで発掘し、育成契約を結んだホセ・デラクルーズとフリアン・ティマの2人に注目が集まっている。

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巨人がドミニカ共和国で発掘したデラクルーズは戦力となれるか(写真提供/読売ジャイアンツ)
巨人がドミニカ共和国で発掘したデラクルーズは戦力となれるか(写真提供/読売ジャイアンツ)

 巨人が見つけ出した原石は契約した時点でともに16歳(現在は17歳)。デラクルーズは身長182cm、体重76kgの大型内野手でヤンキースも獲得に興味を示していた逸材。ティマは身長193cm、体重86kgとデラクルーズよりも一回り身体も大きく、昨年9月に参加した一軍の練習では本拠地・東京ドームで柵越えを連発するなど、将来の大砲候補としてのポテンシャルは測り知れない。

「身体能力を含め素質が素晴らしいのは確か。2人とも10代で伸びしろが大きいのも魅力。時間はかかるだろうが将来の巨人を担う選手として期待している」(巨人OB) 

「育成の巨人」を掲げ16年からは三軍を正式に立ち上げた。独立リーグや社会人、大学生との試合を組んで若い選手に実戦経験を積ませている。ハード面にも積極投資し、現在のジャイアンツ球場に加えファーム専用新球場も今後開場予定となっている。補強に関しても他球団の主力選手獲得から若手の育成へと方針転換を図ろうとしてしている。

 そして、ドラフトで多くの育成選手を獲るだけではなく、メジャーリーグの名門も関心を寄せた才能あふれる外国人の若手を獲得。既に球団の公式YouTubeの動画には彼らのプレーがアップされ、その能力の高さを見て今後の飛躍を期待しているファンも多いだろう。また、従来の外国人選手とは違い、早い時期から成長を見守れるということもあって、ファンにとっては愛着が湧く“生え抜きの助っ人”になれる可能性もある。

「ここ数年は新外国人の補強に苦労してきた。当たり外れがあるのは仕方ない部分もある。身体能力が高かったとしてもメンタル面などでムラがある選手は多い。スカウトが見にきた時だけ全力プレーする選手もいる。仲介する代理人によってピークを過ぎた選手の獲得を勧められる場合もある。試行錯誤の末、外国人も自前で育てるルートをいれたのでしょう」(巨人担当記者)

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資金力のある巨人は外国人の“育成”に有利?