そんな日を増やすためには、眠る際に「△時に寝て朝×時に起きる」などと、「枕に向かって誓う」だけで意識は変わってきます。また、寝室内にリラックスして眠れるような仕掛けや環境を整えてみるのも手です。リラックスできる音楽、眠りを誘う香り、読むと眠くなる本……そんなものをそろえてみましょう。

 忙しくてなかなかまとまった睡眠時間をとれない場合は、せめて週に1回は「睡眠のための日」を作りましょう。睡眠不足のまま仕事や勉強を続けても、パフォーマンスは落ちてしまいます。

  •  1日15分「ぬり絵タイム」

 ぬり絵には、規則正しい行動に集中する、没頭する、継続するという効果があり、これらが自律神経を整えます。ぬり絵という単純作業に没頭することで、悩ましい問題やネガティブな感情の連鎖を断ち切り、心を「無」にできるからです。

 ぬる色によっても効果が違います。赤色は交感神経を、青色や紫色は副交感神経を刺激するので、さまざまな色を使うぬり絵は、交感神経も副交感神経もともに活性化し、自律神経全体の活動量をアップさせる効果があります。

 より自律神経が整う「ぬり絵」には、コツもあります。次のポイントに気をつけてやってみてください。

・ゆっくり丁寧にぬる

・自分の好きなところからぬる

・自分の使いやすい画材を選ぶ

・いろいろな色を使ってみる

・1日15分程度で、毎日習慣化してみる

・寝る前のリラックスできる時間帯にする

 ぬり絵の本は、規則的な絵柄が並んでいるものがベターで、私のおすすめは和柄です。できあがったらきれいな絵が完成するので、やりがいも得られますし、美しい色を目にすることで、心も癒されます。

 自律神経が乱れる大きな原因は、「ストレス」「不規則な生活習慣」と心に留めつつ、拙著『結局、自律神経がすべて解決してくれる』を参考に、日常生活で取り入れられる整え方はどんどん実践して、心身ともに健康な毎日を送りしょう。

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)/順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『最高の体調を引き出す 超肺活』(アスコム)などの著書多数。

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小林弘幸

小林弘幸

小林弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などの勤務を経て順天堂大学小児科講師、助教授を歴任。腸と自律神経研究の第一人者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』など著書多数。テレビなどメディア出演も多数。

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