大学入学共通テストが終わり、大学受験シーズンが本格化しています。本稿では、首都圏にある中高一貫校の大学合格実績に注目。昨年とその10年前とを比較して、「難関国立」「早慶上理」「MARCH」それぞれへの合格者数を伸ばした学校はどこか、データから読み解きます。中学受験の学校選びの参考としてもご活用ください。<<【前編から続く】東大・京大・一橋・東工大・早慶に強い首都圏の中高一貫校は? 難関大学への「合格率」ランキング>>

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【表1】難関国立大(東大・京大・東工大・一橋大)の合格者数が伸びている学校(大学通信調べ)
【表1】難関国立大(東大・京大・東工大・一橋大)の合格者数が伸びている学校(大学通信調べ)

■東大、京大、一橋、東工大の合格者を伸ばしたのは

 表1~3は、2011年と21年を比較し、それぞれ難関国立大(東大・京大・東京工業大・一橋大)、早慶上理(早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大)、MARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)への合格者数が伸びている中高一貫校のランキングだ。

 表1の難関国立大の合格者数がもっとも増えたのは市川の38人。2位が渋谷教育学園幕張、3位が同数で麻布と渋谷教育学園渋谷だった。表中、10年前には合格者ゼロだった学校もある。14位の神奈川県の南は、12年に公立中高一貫校となり、18年に初めて卒業生を送り出し、その後実績が伸びた。20位の宇都宮東と稲毛も公立一貫校となって伸びている。

 私立では15位の広尾学園が合格者ゼロから9人と躍進している。公立一貫校の伸びが目立ち、トップ25の半数近い12校が共学校だ。

【表2】早稲田大・慶應義塾大・上智大・東京理科大の合格者数が伸びている学校(大学通信調べ)
【表2】早稲田大・慶應義塾大・上智大・東京理科大の合格者数が伸びている学校(大学通信調べ)

■10年前は合格者ゼロだった学校も

 表2の早慶上理トップは東京都市大付の220人増、10年前の5倍に伸びている。2位の広尾学園は178人増だ。11年に合格者がゼロだった学校の躍進も多い。11位の東京都市大等々力、14位の中央大附横浜、20位の川崎・市立は合格者ゼロだった。

 東京都市大等々力は元は女子校の東横学園で、東京都市大と合併し09年に校名変更、10年に共学部を新設した。中央大附横浜も元は女子校の横浜山手女子で、10年に中央大の付属校になり、その後、共学校となった。川崎・市立は14年に中学校を併設し中高一貫校となった。学校改革によって新しい学校に生まれ変わった学校の実績の伸びが目立つ。

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安田賢治
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