昨年はリーグ戦でスタメン6試合のみとなった名古屋の齋藤学(写真/gettyimages)
昨年はリーグ戦でスタメン6試合のみとなった名古屋の齋藤学(写真/gettyimages)

 オミクロン株が猛威を振るう最中ではあるが、Jリーグ各クラブは2月18日のシーズン開幕(J2は2月19日、J3は3月12日開幕)へ向けて着々と準備を進めている。その中で注目したいトピックのひとつに「再起」を挙げたい。30歳を超えてベテランと呼ばれる立場となった「元日本代表選手」たちが、新たな挑戦、あるいは生き残りをかけた“正念場”のシーズンに挑もうとしている。

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 J1の舞台で新天地に挑む注目の元代表選手が、神戸に加入したDF槙野智章だ。1987年5月11日生まれの34歳。アグレッシブな守備と飽くなき向上心でJ1通算399試合、国際Aマッチ 出場38試合の実績を持つセンターバックは、昨シーズン10年間プレーした浦和から契約満了を告げられた後、天皇杯での優勝を置き土産に退団。数あるオファーの中から、ベルギー代表DFフェルマーレンが引退した神戸に加わった。ポジション的にも周囲との連携が重要になってくるが、持ち前のコミュニケーション能力と培った経験を生かしながら新たなリーダー役になりたいところ。まずは菊池流帆、大崎玲央、小林友希らとの定位置争いを勝ち抜くことが重要となる。自身の選手生命をかけたシーズンになることは間違いないだろう。

 浦和に9年間在籍したFW興梠慎三も新天地でのプレーを選択した。1986年7月31日生まれの35歳。J1通算459試合出場で歴代3位となる158得点を決めてきたゴールハンターだが、昨季はリーグ戦出場20試合で1得点のみ。「引退も考えた」という中で「もう一度もがいてみよう」と札幌への期限付き移籍を決意。再び“ミシャ”ペトロビッチ監督のもとで働き、不動の1トップとして機能できるかどうか。同時に加わった前名古屋のガブリエル・シャビエルと新コンビを確立できれば、今季中にJ1通算161得点(歴代2位)の佐藤寿人を超えるのは間違いなし。さらに数年後には大久保嘉人が持つ最多記録191得点の更新の可能性も出てくる。

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名古屋には正念場を迎える2人の元代表