木下富美子元都議
木下富美子元都議

 東京都議選の期間中などに無免許運転を7回繰り返したとして、道路交通法違反の罪で在宅起訴された元都議・木下富美子被告(55)の初公判が25日、東京地裁で行われた。

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 起訴状などによると、木下被告は21年5月29日から都議選投開票日直前の7月2日にかけて都内で計7回、無免許で車を運転。7月2日の無免許運転の際、男女2人に軽傷を負わせてそのまま逃走したとして書類送検されたが、ひき逃げ容疑については不起訴処分となった。

 検察側は木下被告が17~21年の4年間で交通違反を12回繰り返し、免許停止処分も過去に4回受けていた点を指摘し、「極めて悪質で法令順守の意識が欠落している」として懲役10カ月を求刑した。

 メディア報道で驚きの声が上がったのは、被告人質問での木下被告の発言だった。

「車に乗る必要があるのに交通違反を重ねたのはどうして?」という質問に対し、こう答えたという。

「おっしゃるほどたくさんでしょうか。でもやはり私が認識せず乗り始めたのがいけなかった。1回でも違反すれば罰金がつく認識がありましたが、免許停止につながるところまで理解せず安易にやってしまいました」

 最後の意見陳述で、「私がしてしまったこと、本当に反省しています。ご迷惑をおかけしたこと深くお詫びします。二度と交通違反を行わないことを約束します」などと謝罪したが、このニュースを見た衆議院議員の秘書は呆れた表情を浮かべる。

「開いた口が塞がらない。心の底から反省しているのなら、あれだけ交通違反を重ねて『おっしゃるほどたくさんでしょうか』という言葉は出てこないでしょう。コロナ禍の選挙活動で不自由な部分があっても、法律を守らない言い訳にはならない」

 木下被告は、昨年7月4日に行われた都議選で再選したが、翌5日に選挙期間中の無免許運転が発覚。都民ファーストの会は「明確な法律違反で、公人としてあるまじき行為」と、木下被告を除名処分とした。都議会で2度の辞職勧告が決議されたものの応じず召喚状も3回出されたが、約4カ月間公の場に姿を現さなかった。1人会派「SDGs東京」を立ち上げて議員活動に意欲を見せたが批判の声がやまず、昨年11月に議員辞職した。

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