田村氏は応援を名護が地盤の国会議員に限定し、党本部からは打診された大物議員の名護入りはすべて断ったという。

「当時は幹事長代理の野中広務氏が陣頭指揮をとっていたが、私の考えを汲み取ってくれ、任せてくれた」(同前)

 選挙戦当日の出口調査では自民党候補は少し負けており、田村氏は敗戦の弁の下書きし、選挙事務所に入ったという。

「しかし、開票所をまわったらとても雰囲気がいい。ひょっとしたらと思ったら、逆転勝ちした。その時、抱き合って喜んだのが、後に沖縄県知事になった翁長雄志さん(故人)。当時は沖縄の自民党県連幹部だった。勝因は沖縄と中央の対立構図を逆手にとったこと。岸本建男氏の息子さん、洋平氏は今回は野党候補として出馬しているが、お父さんの関係で保守層にもある程度食い込むはず。非常に関心が高い選挙なので最後の最後までデッドヒートが繰り広げられると思います」(同前)

 23日の投開票の結果が注目される。

(AERAdot.編集部 今西憲之)