かぜや花粉症でもないのに、季節の変わり目などに鼻水や鼻づまりに悩まされてはいないだろうか。鼻水・鼻づまりの症状に意外な原因や病気が隠れていることもあるという。注意すべき病気の見分け方などを専門医に聞いた。
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花粉症の時期でもないのに、急に鼻水が止まらない。あるいは鼻がつまる……。秋口から冬にかけ、なぜかそうした不快な鼻炎症状に悩まされる人も多いかもしれない。
そもそも鼻水や鼻づまりの症状はなぜ起きるのだろうか。大阪大学医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の前田陽平医師はこう話す。
「鼻水というのはからだから異物を排出させようとする防御反応の一種です。花粉やダニなど、いわゆるアレルゲンに対する抗体が作られて発症するのがアレルギー性鼻炎。抗体がからだから異物を排出しようと働き、鼻水やくしゃみなどの鼻炎症状が起こるわけです」
代表例の花粉による鼻炎について、慶友銀座クリニック院長の大場俊彦医師はこう話す。
「花粉は春のスギだけでなく、秋にもブタクサやイネ科などのものが飛んでいます。ただし鼻炎症状を訴える人のアレルゲンを調べてみたら、ダニやハウスダストが原因だったという場合もあります」
■寒暖差が大きい季節に見られる症状も
また、寒暖差が大きい季節には、冷たい外気の刺激によって、アレルギー性鼻炎に似た症状が見られることがあるという。
「冷たい外気など、大きな気温変化が刺激となって過剰な神経反射が生じ、鼻水やくしゃみなどの症状が出ることがあります。俗に『寒暖差アレルギー』と呼ばれているものですが、医学的にはアレルギーではないので、『本態性鼻炎』と言います」(前田医師)
本態性鼻炎は高齢者など、鼻水の分泌に関わる自律神経の調整がうまくできない人に多くみられる。大場医師は気象との関連についても指摘する。
「夜が冷え込んだ日の翌朝や、季節外れの大型台風上陸後などにも鼻炎症状を訴える患者が増えます。ただし、何かのアレルギーの場合もあるので、明確な線引きは難しい」