「相手バッテリーに徹底的に研究されていました。内角高めの直球、ボール球になる低めの変化球を振らされて完全に打撃フォームを崩されていた。後は1年間シーズンを戦ったことがないので、心身共に疲労もあったでしょう。あれだけ振れる選手はいないのでスタメンで使ってほしい思いはありますが、阪神は人気球団なので少し打てなくなると大きく取り上げられてしまう。ボール球に手を出すのは修正しなければいけませんが、目先の結果を追い求めて持ち味のフルスイングは失ってほしくないですね」(在阪のスポーツ紙記者)

 今年も守護神を務める栗林に懸念されるのが蓄積疲労だ。昨季は53試合登板して東京五輪にも出場した。真上から投げ下ろすようなフォームからスピンの効いた直球と落差の大きいフォークを武器に空振りや凡打の山を築いたが、シーズン終盤はフォークが抜ける場面が見られた。

「栗林に1年目の活躍を求めるのは酷でしょう。心配は故障です。オフは体のケアに当然当てていますが、抑えという重圧がかかるポジションで体には相当な負担がかかっている。プロ野球界は1年目から抑えを務めた選手が大成したケースが少ない。成功例は山崎康と元広島の永川勝浩(現広島2軍投手コーチ)ぐらいではないでしょうか。酷使されて肩、肘の故障で短命に終わるケースが多い。栗林は球界を代表するストッパーになる可能性を秘めた投手なので無理をしてほしくないです」(テレビ関係者)

 佐藤、栗林は「2年目のジンクス」を乗り越えられるか。もちろん、野球ファンは今年も活躍する姿を願っている。(西川秀之)