オコエ瑠偉(球団提供)
オコエ瑠偉(球団提供)

 プロ野球は弱肉強食の世界だ。即戦力で加入する選手がいれば、はじき出される選手が出てくる。楽天が昨年12月22日、日本ハムを自由契約になった西川遥輝の獲得を発表した。リードオフマンとして期待される一方、外野陣は熾烈なレギュラー争いが繰り広げられる。正念場を迎えたのがプロ7年目のオコエ瑠偉だ。

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「オコエにチャンスがなかったわけではない。楽天は左打者が多い。新加入した西川をはじめ、外野のレギュラーで稼働した昨季打点王の島内宏明、辰己涼介、岡島豪郎と全員左打者。内野陣を含めてもレギュラー陣の右打者は浅村栄斗ぐらいだった。オコエも貴重な右打者なので期待は大きいのですが、なかなか結果を出し切れていない。潜在能力は高いのですがプレーが雑に感じる時が少なくない。アベレージヒッターか、長距離打者か…どういう打者を目指しているのか試行錯誤している感じがします」(スポーツ紙デスク)

 2015年ドラフト1位で楽天に入団。「将来の主力選手」として期待が大きかったが、当時のアマチュア担当記者は「オコエの株が一気に上がったのは3年夏。それまで各球団のスカウトは下位指名、もしくは育成枠という評価が多かった。潜在能力の高さは認めていましたが、まだまだ粗削りで時間がかかるという見方で一致していた。それが3年の夏以降、試合を重ねる度に加速度的に成長していった」と証言する。

 関東一高で3年夏に甲子園出場を果たし、人生が大きく変わる。初戦・高岡商戦で49年ぶりとなる1イニング2本の三塁打をマーク。3回戦の中京大中京戦では初回満塁のピンチで背後の大飛球に快足を飛ばし、好捕する超ファインプレーにスタンドがどよめいた。準々決勝の興南戦では同点の9回2死二塁で真ん中低めの難しい球をすくい上げて左翼に運ぶ決勝2ラン。走攻守で躍動し、甲子園の主役に。3年の春までは高校通算19本塁打だったんですが、一気に量産して37本塁打で伸ばした。

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