胴上げされる青学大の原晋監督(代表撮影)
胴上げされる青学大の原晋監督(代表撮影)

 第98回箱根駅伝青山学院大が圧倒的な強さをみせた。2年ぶりに往路を制すると、復路も危なげなく首位を独走。2位の順天堂大に10分51秒も引き離すぶっちぎりの圧勝だった。10時間43分42秒の総合新記録で、2年ぶり6度目の総合優勝を飾った。

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「青学大は史上初めて登録16人全員を1万メートルの自己ベスト28分台の選手でそろえました。今回の出走メンバーから外れた選手たちも、他校に行けばエースになれる逸材がゴロゴロいます。ただ、能力が高い選手をそろえていれば勝てるわけではない。青学大に入ってくる選手の中には高校時代に伸び悩んでいたけど、原晋監督のメソッドで飛躍的にタイムが伸びたケースが多い。青学大が常勝軍団になれたのは、走力だけでなく精神的にも強い選手が多いのが特徴です。しばらく黄金時代が続くでしょう」(スポーツ紙記者)

 青学の独走で優勝争いより、熾烈なシード権争いが注目される展開になった。法政大は往路で13位と出遅れたが、6区の武田和馬(1年)が区間2位の快走で2人抜きと勢いに乗ると、11位でたすきを受けた10区の川上有生(3年)が残り約1キロ地点で東海大の吉富裕太(4年)をとらえ、鮮やかに抜き去りシード権を確保。東海大は土壇場で8年ぶりにシード権を逃した。「優勝争いのダークホース」と注目された早大も13位とギアが最後まで上がらず、3年ぶりにシード権を失った。

 賛否両論の声が上がったのは、箱根駅伝を中継した日本テレビの実況だった。順位が入れ替わる度に声を張り上げて伝える。このスタイルは毎年継承されている伝統だ。「現場の臨場感を伝えたいという思いもあるのでしょう」(テレビ制作スタッフ)と理解を示す声もあるが、ネット上では「毎年思うが実況がうるさくて集中できない。学生たちの走りで感動は伝わってくるから無理に声を張り上げる必要はない」、「駅伝で気になるのは監督車両から選手への掛け声なんだけど、実況が声をかぶせるから全然聞こえない」など不満の声が。

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