たむらけんじ(撮影/中西正男)
たむらけんじ(撮影/中西正男)

50歳で芸人を引退する考えを明かし、注目を集めているたむらけんじさん(48)。その言葉の真意。そして、50歳からのプラン。さらには交際中の女性への思いなど、今の思いをストレートに語りました。

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 50歳での引退は新型コロナ禍になる少し前くらいから、ごく近い方には話していました。

 ただ、今はありがたいことにテレビ番組もたくさんやらせてもらっているし、お世話になっている番組の方々にもどこかでしっかりとお伝えしないとダメだとは思っていて、この前の特番でその思いを明かしたという形になりました。

 なんかこう、ずっと芸人の仕事がすごく楽しかったし、仕事が大好きで、この世界が大好きでやってきた人間なんですけど、それがね、簡単に言うと、楽しくなくなった。惰性でやってしまっているというか。そう強く思うようになったのが2年ほど前やったと思います。

 思うようになった理由はいろいろあると思うんですけど、一つは、本当に長いこと休まずに走り続けてきました。

 その中で「水曜日のダウンタウン」(TBS系)だとか「松本家の休日」(ABCテレビ)だとか「ダウンタウン」さんと定期的にお仕事をさせてもらうようになりました。基本的に僕は自分のことを客観的に見ることができるタイプだと思っていて、自分のお笑い能力も分かっているつもりです。

 それでいうと、芸人として自分の持っている力の中ではマックスの仕事をさせてもらってきた。心底、そう思っています。幸せやなとも思います。もうこれ以上は自分の力では無理やし、簡単に言うと“燃え尽き症候群”ということなのかなと思っています。

 そして、ここ2年ほどでテレビに出ている顔ぶれが劇的に若くなって、ガラッと変わった時に、何の危機感も感じなかった。「そら、そうやな。みんな面白いもんな」としか思わなかったんです。

 ホンマやったらそこで悔しがって「もっと自分もレギュラー番組を増やしたい」か「もっと東京に行こう」とか思うはずやのに、みじんも思わなかった。そんな自分が確実にいて、戦う気がない自分に気づいてしまったというか。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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