今年の箱根駅伝ではどんなドラマが繰り広げられるのか?※画像はイメージ
今年の箱根駅伝ではどんなドラマが繰り広げられるのか?※画像はイメージ

 新春の第98回箱根駅伝(2022年1月2日、3日)の号砲が近づき、12月29日には区間エントリーが発表された。果たしてどのようなレースが展開されるのか。各大学の戦略と思惑が渦巻く中、最終エントリーは当日(1日4選手、2日間で最大6選手が変更可能)となるが、現時点での全10区間の展望、そして区間賞者を予想する。

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【1区】

 レースの流れを作る大事な1区。まず注目したいのが、駒澤大の唐澤拓海(2年)だ。1万メートル28分02秒52は1区エントリー者の中で最速のタイム。一時の不振から、どこまで復調できているかがポイントになる。区間賞争いのライバルは、中央大のエース・吉居大和(2年)だ。1万メートルのタイムは28分03秒90で唐澤に劣るが、ハーフの自己ベストは唐澤を58秒上回る1時間01分47秒。全日本大学駅伝で1区を区間2位(1位と同タイム)で走っており、今回の箱根では堂々と区間賞獲得を宣言している。前回大会では最初の1キロが3分33秒という超スローペースから終盤まで集団走が続いて有力ランナーたちが力を発揮し切れなかっただけに、今回は一転、ハイペースになる可能性もある。

【2区】

 いわずと知れた「花の2区」。今大会は、東京国際大の“史上最強”イェゴン・ヴィンセント(3年)と駒澤大の“日本人最速” 田澤廉(3年)の直接対決に大きな注目と期待が集まる。1万メートルのタイムは、ヴィンセント(27分24秒47)よりも田澤(27分23秒44)がリード。現在の大学駅伝界のみならず、今後の長距離界の主役になり得る2人が、それぞれどの位置でタスキを受けるかも大きなポイントだ。さらに創価大のフィリップ・ムルワ(3年)、国士舘大のライモイ・ヴィンセント(4年)、山梨学院大のポール・オニエゴ(4年)の留学生勢に、全日本でも好走して調子を上げる青山学院大・近藤幸太郎(3年)も注目。今回も各校のエースたちがしのぎを削る。

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“山の神”が現れる5区の注目は?