個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、新年の抱負について。

【場面カット】水野美紀さんと共演した名作といえば

俳優、脚本家の佐藤二朗さん
俳優、脚本家の佐藤二朗さん

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 明けましたな、年。

 2022年もこの僕をどうかよろしくお願いしたい。

 この文が配信されるのが、2022年1月2日。確か、去年も正月三が日のどれかに配信された記憶がありまして、去年のをちょっと見てみました。

 どうです。新年明けて2日目でいきなり去年を振り返るという大技。

 そんなことはいいんですが、やっぱり去年も1月3日に配信されてました。

  で、去年の文では、その年の目標として、「精神年齢を9歳にする」と、とても大人が書いた文章とは思えないことが書いてありました。

 当時僕は、精神年齢8歳を標榜しておりましたので、精神年齢を1歳引き上げることを、年のはじめに堅く誓ったのです。

 しかし実際は、去年、ある番組で占い師の方に精神年齢を占ってもらった結果、6歳であることが判明いたしまして、まさかの精神年齢引き下げの憂き目にあったのでございます。

 ですから2022年の目標としましては、是が非でもこれ以上の精神年齢引き下げを食い止めたい。死物狂いで精神年齢引き下げを食い止めたい。清水の舞台から飛び降りるつもりで食い止めたい。

 ごめんなさい若干たとえを間違えましたが、そして52歳にして精神年齢6歳というのは、もうすでに清水の舞台から3回くらい飛び降りてるような気もしますが、とにかく、もはや私には後がありません。なんとか6歳で食い止めねば。これ以上の精神年齢の引き下げは52歳の大人のメンツにかけて是が非でも食い止めねば。

 このまま下げが止まりませんと、しまいには私、今年84歳になる母の胎内に還らねばなりません。

 ごめんなさい私、新年早々一体なにを書いてるんでしょうか。 

 まあ要するに私ね、年が変わったからこんな抱負とか、年のはじめにその年の目標とか、そういうの、あんまりないんですな。あはははははは。

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佐藤二朗

佐藤二朗

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。

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今年もこんな調子か…