【4位】巨人

 9月以降に急失速してリーグ3連覇を逃す結果となった2021年のジャイアンツ。若き4番・岡本和真の充実ぶりは頼もしく、高橋優貴、戸郷翔征のさらなる成長も楽しみだが、他の若手陣の台頭が乏しく、原辰徳監督の人材活用術にも限界があるというのが現状だ。さらに、主将の坂本勇人が33歳で、絶対的エースの菅野智之と優勝請負人の丸佳浩が32歳と、主力の高齢化が気がかり。実力者が揃い、戦力値は高い。だが、近年のドラフトFA補強が成功しているとは言えず、シーズン終盤の失速は単なる“不振”で片付けられないのではないか。新外国人がハマればV奪回は可能だが、現段階ではその道のりは険しい状況にあると言わざるを得ない。

【5位】広島

 佐々岡真司監督就任後、5位、4位で迎える勝負の3年目のシーズン。投手では大瀬良大地、九里亜蓮、森下暢仁の先発陣に、守護神・栗林良吏とタレントが揃い、野手では坂倉将吾、小園海斗、林晃汰と若手が台頭し、世代交代が大きく進んでいる。これらの“好材料”がチームをさらに成長させるはずだが、それ以上に大きなマイナスになるのが鈴木誠也のポスティングシステムでのメジャー挑戦だ。6年連続で打率3割&25本塁打&75打点以上をマークしてきた男の穴を埋めるのは簡単ではなく、得点力の低下は避けて通れない。新たな助っ人砲が爆発すればAクラス争いには加われるだろうが、現状では推せる要素が少ない。

【6位】中日

 与田剛監督のもとで8年ぶりのAクラス入りを果たしたのも束の間、再びBクラスの5位に沈んだ中日。新たに球団のレジェンド、立浪和義氏を新監督に迎えて新シーズンに挑む。新監督はまず、「強いチームを作る、そして勝つ野球をする。そのためには妥協はしません」と宣言してチームの意識改革に励むが、果たしてそれが結果に現れるかどうかは不透明だ。特に就任1年目で即、結果を出すのは至難の業。投手陣は柳裕也大野雄大の2人が頼れる存在だが、又吉克樹がFA流出。野手陣では、根尾昂、岡林勇希、石垣雅海、石川昂弥ら楽しみな若手は揃うが、現状では長打力不足の方が目立つ。“立浪改革”に成果が出るのは、もう数年先だと予想する。