古谷優人(球団提供)
古谷優人(球団提供)

 ショッキングなニュースが飛び込んできた。ソフトバンクが24日、古谷優人の来季選手契約を締結せずに保留権を放棄し、自由契約選手公示の申請を行うことを発表した。報道によると、今季途中に選手から私物の盗難被害の申し出があり、球団が警察と調査を行った結果、古谷が窃取していたことが判明。古谷に事情聴取したところ、認めて謝罪したという。球団は事態を重く見て、来季の選手契約を締結しないことを本人に通達した。盗まれた私物は見つかっており、被害に遭った選手は警察に被害届を出す意向はないという。

【写真】“驚くほど美しい妻”と米で話題になったマー君の奥様はこちら(他8枚)

 古谷は北海道の江陵高から2016年ドラフト2位でソフトバンクに入団。1年目に「胸郭出口症候群」と診断され、左腕の血行障害に悩まされながらも大器の片鱗を見せていた。19年に3軍戦で日本人左腕最速の160キロをマーク。今季は10月14日の楽天戦でプロ初勝利をマークするなどプロ入り後最多の13試合登板で1勝1敗2ホールド、防御率2.03。来年はセットアッパーとして期待されていた。

 地元のテレビ関係者は「ソフトバンクは能力の高い投手がそろっていますが、その中でも古谷はモノが違った。剛速球と切れ味鋭いスライダーで三振奪取能力が高く、課題だった制球力も改善して球界を代表するセットアッパーになる可能性を秘めていた。野球に打ち込めば1億円プレーヤーにもなれたかもしれない。なぜこんな愚かな行動をしたのか」と嘆く。

 古谷を取材したスポーツ紙記者は「信じられない。ニュースを見た時は目を疑いました」と肩を落とす。

「家族思いでプロ野球選手になって成功したいという思いは誰よりも強かったはず。19年オフに結婚して責任感が増したように感じました。ファンサービスも丁寧で練習後は写真撮影やサインに応じていた姿が印象に残っています。今回の一件は若気の至りでは済まされない。今後NPBでプレーするのは厳しいでしょう」

 選手が窃盗を犯して契約を解除されたケースは過去にもある。元巨人の柿沢貴裕がジャイアンツ球場でチームメートの野球用具、ユニフォームを盗み、売却していたことが判明。18年に巨人から契約を解除され、窃盗容疑で神奈川県警察に逮捕された。

次のページ