巨人の陽岱鋼(左)と阪神のチェン(写真提供・読売ジャイアンツ/阪神タイガース)
巨人の陽岱鋼(左)と阪神のチェン(写真提供・読売ジャイアンツ/阪神タイガース)

 12月も下旬となり、オフの大きな話題である契約更改もひと段落ついた印象を受ける。中には大幅年俸アップを勝ち取った選手もいるが、その一方で高額年俸に見合った結果を残せなかった選手も少なくない。

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 そんな費用対効果の悪かった選手についてピックアップしてみたいと思う。今回はセ・リーグ編だ(金額は推定)。/パ・リーグはこちら→ソフトバンクは“悲惨”なシーズンに…「コスパの悪かった男」たち【パ・リーグ編】

 セ・リーグで高額年俸と言えばやはり巨人のイメージが強く、過去にもコスパの悪かった例は少なくないが、今年も期待に応えられなかった選手は多い印象だ。まず大きな誤算となったのが新外国人のスモーク(3億1000万円)とテームズ(1億2500万円)の2人である。

 ともにコロナ禍で来日が遅れ、4月下旬に一軍に合流したものの、テームズはデビュー戦で右アキレス腱を断裂して帰国。8月には退団となっている。スモークも家族が来日できないことによるストレスなどを理由に6月には退団。結局34試合の出場で31安打、7本塁打と寂しい数字に終わった。ともにシーズン途中での退団であり、満額の年俸を支払う必要はなかったと見られているが、それを考えても残念な結果だった。

 FAで新加入した梶谷隆幸(2億円)と井納翔一(1億円)の2人もコスパという意味ではとても満足のいく1年ではなかった。梶谷は昨年キャリアハイとなる打率.323をマークし4年総額8億円の大型契約で巨人に移籍。一時は打率3割を超えるなどリードオフマンとしての役割を果たしていたが、5月以降は度重なる故障で戦線離脱。最終的には61試合の出場で64安打、4本塁打という成績に終わった。

 井納も2年総額2億円で加入し、先発の一角として期待されたものの、移籍後初登板となった3月31日の中日戦では2回持たず4失点で降板となり即二軍に降格。5月には中継ぎで一軍復帰を果たしたもののそれでも結果を残せず、5試合の登板で0勝1敗、防御率14.40とキャリア最低の数字でシーズンを終えている。梶谷はまだ3年間契約が残っているが、井納は来季が契約最終年となるだけにまさに崖っぷちのシーズンとなりそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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