首都圏の中学入試で近年続く大学付属校人気。その中でも、昨年に続き今年も志望者数を増やしているのが日本大学の付属校です。ただ日大は今年、大学トップの理事長が逮捕されるという不祥事がありました。一連の事件が付属校の人気に影響を及ぼす可能性はあるのでしょうか。

MENU ■日大の付属校は改革が奏功 ■抜群の立地と環境の良さ ■日大のイメージ悪化は中学受験に影響しない

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 まずは、首都圏模試センターが11月に実施した模試の結果を見てみよう(表参照)。男子の志望者数ベスト10は、男子校では日本大学豊山(東京都文京区)がトップ。共学校ではトップの日本大学第一(東京都墨田区)をはじめ、日本大学第二(東京都杉並区)、日本大学(横浜市)、日本大学第三(東京都町田市)、千葉日本大学第一(千葉県船橋市)と、実に日大付属の5校がランクインしている。女子の共学校志望者数のベスト10を見ると、日本大学第二、目黒日本大学(東京都目黒区)、日本大学第一とトップ3を日大付属が独占しているほか、6位にも日本大学が入っている。

首都圏模試第5回(2021年11月実施)男子校志望者数ベスト10(首都圏模試の速報値をもとに安田教育研究所が作成)
首都圏模試第5回(2021年11月実施)男子校志望者数ベスト10(首都圏模試の速報値をもとに安田教育研究所が作成)
首都圏模試第5回(2021年11月実施)共学校男子志望者数ベスト10(首都圏模試の速報値をもとに安田教育研究所が作成)
首都圏模試第5回(2021年11月実施)共学校男子志望者数ベスト10(首都圏模試の速報値をもとに安田教育研究所が作成)
首都圏模試第5回(2021年11月実施)共学校女子男子校志望者数ベスト10(首都圏模試の速報値をもとに安田教育研究所が作成)
首都圏模試第5回(2021年11月実施)共学校女子男子校志望者数ベスト10(首都圏模試の速報値をもとに安田教育研究所が作成)

 安田教育研究所代表の安田理さんは「日大豊山は模試の回を追うごとに志望者が増加しています。共学校男子のトップ10でも半数が日大系。女子は、大学受験で苦労させたくないという保護者の心理が働くのか、共学校の1~6位がすべて大学付属校ですが、その中に日大系が4校入っている。やはり男女ともに強いと言わざるを得ません」と、舌を巻く。

■日大の付属校は改革が奏功

 ここ数年来続いていた付属校人気だが、早慶MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の付属に続き、日大、東洋大、東海大系も浮上している。そのなかでも日大系が群を抜く理由を安田さんは次のように話す。

「日大は16学部87学科を擁する総合大学で、付属校を持つ他の大学にはあまりない医、歯、薬、芸術学部もそろっています。子どもが将来どの分野を目指そうとも、進むべき学部があるという安心感があるのでしょう」

 首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成さんは、最近の日大の付属校は、改革が奏功しているという。

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柿崎明子
ライター 柿崎明子

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